人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

(2)映画「ふたりはプリキュア」

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プリキュア・シリーズは2年目の「ふたりはプリキュアMax Heart」から劇場用長篇作品が制作されるようになった。「Max Heart」は前作の続篇で、妖精界「光の園」復活の謎を秘めた少女・九条ひかりが第三のプリキュアシャイニールミナスとして前作からの美墨なぎさキュアブラック&雪白ほのか=キュアホワイトと共に「光の園」復活と「虹の園」(地球)の平和のため、再び甦ったジャアクキング率いる悪の帝国ドツクゾーンと戦う、という設定になっている。

映画第1作「ふたりはプリキュアMax Heart」(監督=志水淳児・東映配給・70分)は05年4月公開、興行収入8.5億円のヒット作となった。このヒットを受け同年12月には早くも映画第2作が公開される。

さて、制作委員会名義とはいえ、戦隊シリーズ仮面ライダー映画版同様これは「東映まんがまつり」の伝統に沿ったもの。自他ともに東映映画は無声映画のチャンバラ時代劇がルーツで、滅多に保守的な娯楽映画以外には手を出さなかった。それもなかなかゆかしいもので、そんな社風から今でも人気の高い「仁義なき戦い」「トラック野郎」「極道の女たち」が生まれてきた。
プリキュアの場合、アンパンマンよりは高いがクレヨンしんちゃんドラえもんよりはかなり低い年齢層を想定して映画化されたのが第1作からはうががわれる。テレビ放送版ならば録画で繰り返し見たり、父母に解説してもらいながら見られるからやや年齢層を高めに設定できるが、映画館で70分間を幼児の理解力だけで楽しめるように作り上げる苦労はこの第1作には特に強く感じられる。

ストーリーはテレビ・シリーズのヴァリエーションのようなもので、「希望の園」がドツクゾーンの一員「闇の世界の魔女」に、「希望の園」の力の源であるダイヤモンド・ラインを狙われ、園の女王が伝説の戦士プリキュアに七人の妖精騎士団を差し向け応援を要請する、というもの。
女王は麗しい美女だが執事は羊、騎士団はカエルというあたりがいかにも女児向けで、七人のカエルも類型的ながら性格が描き分けられてプリキュアたちとの友情ドラマになっている。

第1作の成功を受け、現在まで12作を数えるプリキュア映画は様々な趣向を凝らすことになる。(続く)