人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

(4)映画「Splash☆Star」

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フル・タイトルは「映画ふたりはプリキュアSplarsh Star チクタク危機一髪!」で前作の1年後に公開(05年12月・監督=・東映配給・50分)。今回注目すべきはこの長さ、というか短さだ。テレビスペシャルか前後編くらいの長さで、長篇とは言い難い。
それは興行上の事情で「デジモンセイバーズThe Movie 究極パワー!バーストモード発動!」と組んだからだが、わが家でも妻・長女・次女は両方見ていたので女児的には問題なかろう。興行収入は3億円だが、これはデジモンと2作品で割った業績になる。

プリキュアSplash☆Starはシリーズ中もっとも地味な作品で、ふたりのヒロインを元祖(無印と呼ばれる)「ふたりはプリキュア」からリニューアルしただけで性格設定も物語もほとんど無印を踏襲したため明らかな視聴者離れが起った。玩具の売上高も前作の123億円から60億円と半減。シリーズ打ち切りも検討されたが「100年続くプリキュア」という意気込みで企画されたのが次作「Yes!プリキュア5」だったという。
こう述べてくるといかにもひかげの花、パッとしない二番煎じのようだが、再放送や映画版を見るとバトルよりもドラマに重点を置いた、細やかな情緒がよく描かれたシリーズだったのがわかる。隠れファンも意外に多そうだ。

前作までのふたりはキュアブラックキュアホワイトだったがこの作品ではヒロインを一新してキュアブルームキュアイーグレットになっている。男まさりでそそっかしいvsおしとやかで生真面目、という性格設定も踏襲している。
この作品では前作ではバトルまで発展した対立まではいかないが、ふとしたきっかけから気持にしこりができた最中に妖精界「時計の郷」を支配し全世界の時間を停めようとする怪人・サーロインの野望を阻止しようとして、チームプレーの乱れから返り討ちにあってしまう。

初代プリキュア同様今度のプリキュアも(1)妖精パートナーの力を借りて(2)ふたり一緒じゃないと変身出来ない不便があり、これは後のシリーズでは条件が緩くなるが、ブルームとイーグレットは砂漠の迷宮で妖精たちともバラバラになって変身が解けてしまうのだ。もちろん友情の再確認と共にプリキュアは勝利する。この作品を名作とする人も多い。(続く)