人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

ミック・フリートウッドの謎

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フリートウッド・マックといえば70年代アメリカでもっとも高いレコード売上げを誇ったロックバンドで、最盛期のアルバム「噂」1977(画像3)などは全米チャートNo.1を31週間、1000万枚に迫る特大ヒットだった。女性のほうはバンドの歌姫スティーヴィー・ニックスで何ら不審な点はないが、バンド・リーダーの男性ミック・フリートウッドさんはどこかあやしい。良く見れば金玉のオブジェをぶら下げている。真意は…よくわからない。

フリートウッド・マックは紆余曲折あったバンドで、イギリスのジョン・メイオールというブルース研究家の門下生が「第二のエリック・クラプトン」と評価の高いピーター・グリーンをフィーチャーして始めた。たまたま語呂がいいのでドラマーのフリートウッドとベーシストのジョン・マクヴィーの名前を合わせてバンド名にした。
初めは純然たるブルース・ロックのバンドだったがビートルズにも影響を与えたほどの評判(『ヤー・ブルース』『アイ・ウォント・ユー』『サン・キング』)になる。グリーン、ジェレミー・スペンサーダニー・カーワンの3人のギタリストからバンド名をとらなくて良かった。3人とも私生活の問題から次々と去って(文字通り失踪までして)、フリートウッドとマクヴィーだけが不動のメンバーになったからだ。

ブルース期の後はマクヴィー夫人のクリスティン(キーボード、ヴォーカル)と才人ボブ・ウェルチ(ギター、ヴォーカル)が加入したがどうも売れない。ウェルチが抜け、男女デュオのバッキンガム&ニックスが加入した「ファンタスティック・マック」1975はデヴューから足掛け8年目にして爆発的なヒット作となった。

画像1のバカは69年のセカンド・アルバム「Mr.ワンダフル」のジャケットを飾るフリートウッドさん。これが渋いブルース・ロックのレコードだと思えるだろうか?同作のアメリカ編集盤で半分曲目違い(『アルバトロス』も『ブラック・マジック・ウーマン』もこれに収録)の女装ジャケット「英吉利の薔薇」(同年)もいったい何を考えているのだ?

マックは今でもトップ・グループで、ヴォーカル&作曲メンバーのクリスティン、リンジー・バッキンガムスティーヴィー・ニックスの3人が出たり入ったりしているが5人揃うと大ヒットになる。一貫性ないのに、どの時期も面白いです、マックって。