ジョイ・ディヴィジョンのセカンド・アルバムにして最終作「クローサー」(画像1)は80年3月下旬に録音され、イアン・カーティスの自殺によるバンド解散後の7月に発売されてロングセラーを記録した。アルバムの巻頭曲はJ.G.バラードの連作短編集「残虐行為展覧会」に拠る。
[Joy Division-Atrocity Exhibition]
http://m.youtube.com/watch?v=5AqeqAQ1ILI&hl=ja&guid=ON&client=mv-google&gl=JP
ここで前回までの誤りを正したい。イアンの癲癇発症は78年12月29日、長女の誕生79年4月16日で、5月16日には急性発作で入院する。だが翌月にはファースト・アルバムの制作スケジュールが組まれていた。それほど早期に発症していたのなら彼らの作品すべては絶体絶命の境で制作されたことになる。服薬による情緒不安定と突然の発作が常にバンドの前途を脅かした。
さらにイアンはアルバム発表の翌月、79年10月に富裕階級の女性と不倫関係に陥り、関係は自殺に到るまで続く。夫人にも発覚し、自殺未遂や入退院を繰り返した。
次の「クローサー」収録曲のライヴ・テイクはイアン生前最後の80年5月2日のステージを収めた追悼盤「スティル」(画像2)のLPに収められたが、CDでは収録時間の制限で割愛された。
[Joy Division-Twenty Four Hours]
http://m.youtube.com/watch?v=1aavd_7Z2wA&guid=ON&hl=ja&gl=JP&client=mv-google
最後の曲は本来なら80年5月下旬から始まる初のアメリカ・ツアーと新アルバムのこけら落としになるはずだった。
夫人から決定的に離婚の意志を告げられた翌朝、イアン・カーティスは台所で縊死体となって発見された。1980年5月18日。翌月緊急発売されたこの曲はジョイ・ディヴィジョンを代表する一曲として名高い。
[Joy Division-Love Will Tear Us Apart]
http://m.youtube.com/watch?v=zuuObGsB0No&client=mv-google&gl=JP&guid=ON&hl=ja
(完)