人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

2012-02-01から1ヶ月間の記事一覧

味のある顔ジャケ

今回は味のある顔ジャケを並べてみました。携帯作成なので図版を頭にまとめて掲載することしかできず、見づらくてすいません。 YouTubeの貼り付けできないので、原題を並記しました。どれもアップされています。ひどい世の中です(笑)。ジャケットだけでもお…

ボブ・ディラン『天国への扉』

原題'Knockin' On Heaven's Door'、アルバム「ビリー・ザ・キッド」'Pat Garrett And Billy The Kid'1973収録。初期~中期にかけてのボブ・ディラン(1941-)の曲のうち、バラッド(叙事詩、物語歌)に属すものは本当に長い。8行1連で平気で8連~12連あったりす…

診察日(2月27日・月曜)

毎週月曜朝10時はメンタルクリニック受診。以前別の記事で書いた通り、私はいざとなれば這ってでも行ける距離に各種医院があり、そこから救急車で総合病院送りも3度ほどあります。医療保護入院だから待ったなしです。心の準備くらいはほしいところですが、猶…

復刻・市島三千雄全詩集(6)

今回を含めてあと3回、3篇をご紹介すれば復刻・市島三千雄全詩集は完結する。長めの作品ばかりなので1回に1篇がせいぜいになる。これまで作品論抜きで作品のみをご紹介してきたが、その理由は前回触れた。市島作品は時代性とも関連づけられない、きわめて分…

妹への手紙

…そうか、そんなことがあったか。おれが去年別れた人もご主人に新婚早々されたそうだ。おれはもちろんしたこともされたこともないよ。重い荷物も、家事や育児も、おれと別れた妻は対等な人間同士だった。そして病気になったおれを妻はもう愛さず、必要としな…

『ミスター・タンブリン・マン』

今回はボブ・ディラン(1941-)の最もポピュラーな曲を。原題'Mr.Tambourine Man'、アルバム「ブリンギング・イット・オール・バック・ホーム」1965収録(上)。同年ザ・バーズによりデビュー&全米No.1ヒット(下)。 『ミスター・タンブリン・マン』 ヘイ!ミス…

♪さんへの手紙

♪さんどうもです(最近は顔文字いいや使っちゃえになってきた)。またコメントふくらませて記事にさせていただきます。昨日の記事のタイトル「たんけんぼくのまち」はNHK教育でやってた番組名です。チョーさんが出てくるやつ。もう20年くらい前かな?ちなみに…

『~ローリング・ストーン』後篇

前回に続いてボブ・ディラン最大のヒット曲'Like A Rolling Stone'(アルバム「追憶のハイウェイ61」'Highway 61 Revisited'1965(写真上)を前後篇、散文訳で圧縮し、ようやく1曲の完訳ができた。実はこれまで小唄ばかり訳してきたのは内容が平易で短いからだ…

たんけんぼくのまち

私は神奈川県を東西に横断する私鉄の、中間点の各駅停車駅から正味徒歩1分の老朽ワンルーム・マンションで病身の療養生活を送っております。駅歩1分というと、ずいぶんにぎやかで便利な暮らしぶりを想像されるかもしれません。 ところが、ここは実に商業地と…

『~ローリング・ストーン』前篇

ボブ・ディラン屈指の代表曲といえば『風に吹かれて』1963、『時代は変る』1964、そしてアルバム「追憶のハイウェイ61」'Highway 61 Revisited'(写真上)のオープナーでシングル・カットされ1965年9月、ビルボード2位(1位はビートルズ『ヘルプ!』)、キャッシ…

美しの裸女ジャケ

今回も美麗やら悪趣味やらわからないLPジャケットをご覧にいれます。この3枚、たがいに何の関連もありません。 上から、 ●Possessed'Exploration'1971(UK・日本未発売) 近年まで存在すら知られなかった女性ヴォーカル単発バンドの勢い任せの怪作(同名スラッ…

復刻・千田光全詩集(5)

今回の作品は1・2に分かれて、内容は直接関連ない連作のようなもの。一度に掲載するには長いので、2は次回でお送りする。1だけでも独立した、短篇小説的作品であることをあらかじめご承知いただきたい。千田光の詩の師だった北川冬彦の親友・梶井基次郎は生…

ぼくのおくすり

ホームランバーの当り棒で名前を隠してありますが、これが現在、私に処方されているおくすりの一覧。基本は朝食後・夕食後・就寝前です。 ●朝食後・夕食後(双曲性障害) ・デパケンR錠100ミリ×5錠 ・リーマス錠200ミリ×1錠+100ミリ×1錠 ・セロクエル25ミリ…

ボブ・ディラン『時代は変る』

原題'The Times They Are A-Changin''、1964年の同名アルバム「時代は変る」(写真上)に収録。この曲もカヴァーが引きもきらなかったが『風に吹かれて』ほど平易な曲想ではない。特にリズムが変則拍子に近く戦前ブルース的で、簡単そうで難しい。バンドでばっ…

今日の昼食(2 月21日)

☆ミートソース・スパゲッティ(大盛り・ダブルチーズ)です☆ ☆私は病気療養無職の一人暮らしですから基本的に三食自炊です。フリーライター時代は打ち合わせや取材で社交的外食か、自宅にこもって作文する時は三食自炊か極端でした。結婚生活の10年間は家事と…

復刻・市島三千雄全詩集(5)

市島三千雄(1907-1948・新潟県生れ)が残した詩は1925年から1927年まで13篇。18歳から20歳までですべての現存作品を創作・発表したことになる。前回に書いた通りの、ほんとうに大まかな履歴しか知られていない詩人だから、作品から人となりを推測するしかない…

うさこちゃん

と言っても、もちろん日本でしか通用しませんよね。本国オランダではナインチェ・プラウスがフルネームだそうです。作者ディック・ブルーナはディ・スティル(一種の構成主義)の影響が強いイラストレーター。オランダといえばゴッホだけどモンドリアンの方が…

ボブ・ディラン『風に吹かれて』

当時の恋人と腕を組んで歩くジャケットでも有名な1963年の第二作「フリーホイーリン・ボブ・ディラン」'The Freewheelin' Bob Dylan'(写真上)に収録、原題'Blowin' In The Wind'。ディランを一躍時の人としたのはまず新しいフォークのソングライターとしてで…

今日の夕食(2月19日・日曜)

☆めんたいこスパゲッティです☆ (箸休めでした)

山村暮鳥『A' FUTUR 』

山村暮鳥(1884-1924)の詩集「聖三稜玻璃」1915で最大の問題作はこの唯一の散文詩だろう。シュールレアリスムの確立者ブルトンの散文詩集「溶ける魚」1924より10年早い。原文は長大かつ冗長の気味があり、半分に抄出した。この異様な作品が1914年執筆とは! …

あるジャズ・ピアニストの肖像- 2

(1より続く) 同じことが当時のルー・ドナルドソンやクリフォード・ブラウン、ソニー・ロリンズやジャッキー・マクリーンのアルバムにも言えて、なぜかエルモ・ホープだけ何時まで経ってもうだつが上がらなかった。ブラウンとドナルドソンがアート・ブレイキ…

ディラン『クィーン・ジェーン』

今回のボブ・ディラン(1941-)は原題'Queen Jane Approximately'(直訳すれば「クィーン・ジェーンのおおよそ」)、アルバム「追憶のハイウェイ61」'Highway 61 Revisited'1965(「ハイウェイ61再訪」)の、LPではB面トップを飾るナンバー。ライブ盤では「ディラ…

あるジャズ・ピアニストの肖像- 1

彼の名はホープ、フル・ネームはエルモ・ホープ(アメリカ・1923-67)、ジャズ・ピアニスト。エルモは「聖エルモの炎」で有名な聖人から、そしてホープとくれば、これほどめでたい名前は滅多にない。アルバム・タイトルにも「ヒアズ・ホープ(これが希望だ)」「…

ボブ・ディラン『いつもの朝に』

原題'One Too Many Morning'、アルバム「時代は変る」'The Times They Are A-Changin''1964(写真上)収録。ライブ・アルバム「激しい雨」'Hard Rain'1976(写真下)、発掘ライブ『ロイヤル・アルバート・ホール1966』にも収録。アルバム「時代は変る」の曲を取…

ピーナッツ・バター

子どもの頃はおこづかいもなく家に菓子もないと、おやつに食べたのはたいがいピーナッツ・バターを塗った食パンだった(マヨネーズの時もあった)。これを堂々と「サンドイッチ」と言ってもいいと知ったのは、日本人による初のエルヴィス論「ぼくはプレスリー…

ディラン『彼女にあったら~』

原題'If You See Her,Say Hello'、アルバム「血の轍」'Blood On The Tracks'1974収録、ボブ・ディラン(1941-)デビュー12年目、33歳に当たる。歌詞は初期からは別人のように平易で、離婚経験を歌ったプライヴェート・アルバムという発表当時からの風説も特に…

たった一篇の詩人-生田春月

『海図』 甲板にかかっている海図-それはこの内海の地図だ-じっとそれを見ていると、一つの新しい未知の世界が見えてくる。 普通の地図では、海が空白だが、これでは陸地の方が空白だ。ただわずかに高山の頂きが記されている位なものであるが、これに反し…

大手拓次『春の日の女のゆび』

筆跡も線画も気持悪く、生涯独身・童貞だったというこの詩人(1887-1934・群馬県生れ)。前回「幻視とフェティシズムの詩人」と簡略に紹介したが、幻視もフェティシズムもともに定義の難しい性質だ。空想・エロティシズムとは重なりつつ異なる。小児同性愛、足…

ディラン『レイ・レディ・レイ』

原題'Lay,Lady,Lay'、アルバム「ナッシュヴィル・スカイライン」'Nashville Skyline'1969(上)に収録(シングルも)。この曲は後にライブ盤「激しい雨」'Hard Rain'1976(下)に「ローリング・サンダー・レビュー」と名銘ったツアーでの名演が記録されている(「ロ…

復刻・千田光全詩集(4)

今回は千田光の経歴から。本名森岡四郎、1908年東京生れ。幼くして父を失い、多くの兄姉に囲まれて育つ。小学卒で就労、親類の縁で詩の同人サークルを知り、「キネマ旬報」編集補佐から北川冬彦の知己を得る。 『発作』 私の数歩前にあたって、私は実に得体…