2013-03-01から1ヶ月間の記事一覧
LPレコード時代のジャケットはCDサイズに縮小しても見事なものが多いですね。特にジャズにはいいものが多いですが、とりわけブルーノートのアルバムにはひと目でわかるほど垢抜けたかっこよさがあります。 ブルーノートは本来ジャズクラブの名前ではなく、19…
Jimmy Smith(1925-2005,organ)。 さて前回の続き。 A Date With Jimmy Smith Vol.2(1548)57.2.11,13(画像1) (Vol.1は前回掲載) だが、この録音に招集されたブルーノート・オールスターズの内訳はドナルド・バード(トランペット)、ルー・ドナルドソン(アルト…
(連作「ファミリー・アフェア」その40・完) ぼくは結局彼女との関係に行き詰まり、病状を急激に悪化させ入院した。前回の緊急入院では肉体的に危篤寸前だったが、今回は錯乱がひどいと診断され三週間隔離室に入れられた。あまりに何もすることがなく、かえっ…
Jimmy Smith(1925-2005,organ)。 スミスの使用するハモンドB3オルガンは当時の新楽器で当然電気楽器だから音量も大きく、多彩な音色を誇り、特に回転式レズリー・スピーカーから唸りをあげるサウンドは後のフィードバック・ギターやシンセサイザーの出現を予…
(連作「ファミリー・アフェア」その39) この話は最初の1~28で一旦終っている。次女から始まり、次女で終えた。だがそれを、自分を中心にした恋愛小説に書きかえてほしい、というのが彼女のリクエストだった。 彼女は思わなかったのだろうか?もしぼくが書け…
Jimmy Smith(1925-2005,organ)。 このシリーズは大物すぎて手におえないジャズマンは後回しにしてきた。ブルーベック、MJQ、ケントンなどはスケールがでかすぎてジャズから外れたこともガンガンやるし、作品数も多く変化に富んでいる。しかも詳しい日本語…
(連作「ファミリー・アフェア」その38) 「こういうメールが来ました」とぼくは主治医に見せた。主治医は唖然として、「女は怖い…でも良かったんじゃないかな」 「だいたい予想はついていました。夏休みはずっと家庭に向きあっていたんだから、ぼくとは手を切…
Grant Green(1935-1979,electric guitar)。 前回までグラント・グリーンの全リーダー作、主要サイドマン参加作を追ってきたが「キャリン・オン」69.10で4年半ぶりの復帰以降、グリーンはルーツであるR&Bに戻ってソウル・ジャズ=ロックに徹することになる。…
(連作「ファミリー・アフェア」その37) 彼女とは始まりも早かったが(彼女のように年齢相応の経験がありながらまったく性的には未熟というのがぼくにはしばらく信じられなかった)、終りも唐突だった。もう小学校の夏休みも近づいてきて、当分会えないね、と話…
Grant Green(1935-1979,electric guitar)。 前作「抱きしめたい」65.3の後グリーンは没アルバム'Matador'65.5.20(画像1)を録音し、61年1月以来専属だったブルーノートを離れる。5月26日には早くも大手ヴァーヴにラリー・ヤングも加えたソウル・ジャズ路線の'…
今日は10時からメンタル・クリニック、その後買い物、眼科で検診。なにかネタないかなあ、と待合室の壁の掲示を見て写真を撮り(画像1)、見出しをメモする。次のがそれだ。 「精神疾患と光トポグラフィー検査-光トポグラフィーによる脳機能評価-」 [前頭葉…
Grant Green(1935-1979,electric guitar)。 前回の「トーキン・アバウト」に始まり、グリーンとラリー・ヤング(オルガン)の共演はブルーノートに4作あるが、前作は時流に乗った成功作と評価されたのだろう。64~65年のコルトレーンはマイルスをも凌ぐ革新的…
さて、T.S.エリオットの現代詩の古典「荒地」'The Waste Land'1922の続き。いきなり原文の引用から始めると面食らう人も多いだろう。全5章に分かれる全433行の長編詩の第1章もいきなり『埋葬』'The Brurial of the Dead'という縁起でもないタイトルなのだ。…
Grant Green(1935-1979,electric guitar)。 前作からサイドマン参加作3作を挟んだリーダー作'Idle Moments'63.11(画像1)はこれまでとはムードを一新した作品になった。グリーンの持ち味は暖かみ、寛ぎ、好ましい朴訥さ、楽しさだったが、ここではいつになく…
晴れと書いたが正確にはやや薄曇りか。夜半には雨が降るらしい。どおりで空気がしっとりしている。 短歌や俳句の雑誌では花見の季節の直後には桜の句や歌一色になるが、歳時記でも四季のうち春の部がいちばん項目が多く、一冊ずつに分冊すると新年だけで独立…
Grant Green(1935-1979,electric guitar)。 グリーンのブルーノート録音は61年の15枚に対して62年は10枚になった。61年のリーダー作は6枚でうち2枚ボツ、62年のリーダー作は6枚でうち3枚ボツだが、ソニー・クラークとの連作がぜんぶボツで、企画アルバム三部…
(連作「ファミリー・アフェア」その36) 彼女と個人的な親睦が生じたのが本の貸し借りだったなら(ぼくは岩波文庫の「ロビンソン・クルーソー」と「ガリヴァー旅行記」を持って入院した)、先に退院していった彼女とのメールのやりとりは完全に個人的なものだっ…
Grant Green(1935-1979,electric guitar)。 前回触れたようにグリーン所属のブルーノートはアルバム一枚発売するためにお蔵入りアルバムを数枚制作してセレクトする、ちゃんとギャラも払う、後年発売されるとボツの理由がわからない見事な出来、という不思議…
(連作「ファミリー・アフェア」その35) だから退院して家庭生活に戻り、今ではお酒で気持をまぎらわせるわけにはいかないNさんにとって、まだ入院中のぼくとのメール文通は楽しかった入院生活の余韻をいつまでも延長したかったからだった。それがいつの間に…
Grant Green(1935-1979,electric guitar)。 怒涛の61年録音も後半の7月~12月はアルバム7枚、うち7月の2枚はブラザー・ジャック・マクダフ(オルガン)のプレスティッジ録音で1日にアルバム2枚を一気録り。ブルーノートでの5枚はサイドマン2作にリーダー作3枚…
(連作「ファミリー・アフェア」その34) ぼくはアルコール依存症については真面目に学んだが自分が依存症ではないことも明らかだったので退院したら飲むよ、と訊かれれば答えていた。入院仲間と退院後には連絡を取るまい、と決めたのもその考えからだった。断…
Grant Green(1935-1979,electric guitar)。 怒涛のブルーノート録音も4月~6月はやや落ちついて5月のベイビー・フェイス・ウィレット'Stop And Listen'を含め、 'Green Street'61.4(画像1) 'Sunday Mornin''61.6.4(画像2) Horace Parlan'Up And Down'61.6.18…
(連作「ファミリー・アフェア」その33) ぼくは5年間で通算5回・合計10か月入院したが、一昨年8月は盲腸炎で精神入院は4回、うち1回はアルコール依存症学習入院だった。ぼくなど予備軍のさらに手前だと判った。依存症になると常に酩酊しないではおれず、朝か…
Grant Green(1935-1979,electric guitar)。 本格的なニューヨークでのブルーノート・レーベル専属活動を始めて61年1月下旬の一週間でアルバム3枚に起用されたグリーンは、2月には3枚、3月には2枚のアルバムに参加する。うち2枚は別会社で、この5枚はサイドマ…
曇りではあるが湿度が高く暖かい。昔、加湿器のTV-CMで「湿度が上がると体感温度は3℃上がる」というのがあった。これは冬場に見に染みた。リサイクル店で買った加湿器がこの冬はどれだけ重宝したかわからない。 3月3日を境に突然気候も春めき、CDラジカセの…
Grant Green(1935-1979,electric guitar)。 この連載はなるべく各楽器を均等に、たとえばアート・ブレイキーはジャズ・メッセンジャーズ在団経験者の在団時代のアルバムを多く紹介することでフォローしてきたが、ピアニストが少なく、ギタリストに至ってはも…
このブログ記事を読んで早速ケントンをお聴き下さったとのこと、たぶん昨晩日本国内でスタン・ケントンを聴いていた方は10人もいないでしょう(笑)。ビッグバンドの中でもケントンは凝りに凝ったサウンドで、写真をご覧になったと思いますがトランペット、ト…
Stan Kenton(1912-1979,piano,Big Band Leader)。 61年からのケントンは'from the creative World Of Stan Kenton comes...'を謳い文句に活動する。相変わらずキザで強気だが、前回のスタンダード集あたりではかつての先進性はどこへやら、口当たりはいいが…
MJQの『朝日のようにさわやかに』お聴きになりましたか。曲も名曲ですが、60年も前の音楽が新鮮に聴けるのは驚くべきことです(今売れている音楽は2073年になっても聴かれるでしょうか?)。MJQは毎年来日していたので、来年でいいやと思っているうちに…
Stan Kenton(1912-1979,piano,Big Band Leader)。 全盛期は56年~57年の間で終ったとしても41年の発足からしぶとく第一線でやってきたケントン楽団は、白人ビッグ・バンドとしてはウディ・ハーマン楽団に差をつけられたとしてもグレン・ミラー楽団やベニー・…