人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

2011-09-01から1ヶ月間の記事一覧

真似句亭日乗(19)離婚事情回想8

「妻はぼくの躁鬱とパニック発作による奇行を見て匙を投げたのでしょう。具体的には浪費(数十万の記憶にないネット通販)や多弁、多動、自暴自棄的な言動(パニック発作の予期不安からくる万引未遂)等がありました。妻に指示されて当時の住居の近隣のメンタル…

病名について

確かにメンタル系の病気で通院している人はそれで悩んだり、不服に思ったりしている人も少なくないようだ。「病名を教えてくれない」。生前告知が問われる種類の身体疾患じゃあるまいし、一体何で教えてくれないのだろう? そう思ううちはまだ見込みがある。…

真似句亭日乗(18)離婚事情回想7

「長女の方はもう小学校3年生でしたから、つらかったでしょうね。父を棄てて母につくのを迫られたわけだし、いさかいの元になったのは父だ、と母の前では割りきってみせなければなりません。 保育園では泣いている年下の子を放っておけず、「パパとママは結…

太宰治と呼ばれて(笑)

ぼくは太宰治は全集買って全作品読んだとはいえ、愛読したとはいえません(横光利一と堀辰雄は批判的に、梶井基次郎と坂口安吾は共感を持って愛読しました)。ですが具体的に作品から指摘(ですよね?)されると、もちろんぼくは病気療養中の廃業ちんぴらライタ…

真似句亭日乗(17)離婚事情回想6

「娘2人と過ごした時間は妻よりぼくの方が断然長かった。特に次女はそうです。長女が4歳になるすぐ前に生まれたから、長女の相手は妻、次女は何から何までぼくが世話をしていました。長女と妻がPS2などやっている時ぼくは寝室で次女の寝かしつけ。赤ちゃんの…

三島由紀夫について(下)

後鳥羽院(上皇)は藤原定家に命じて「新古今和歌集」を定めた天皇にして文人でありながら軍事クーデターを起こして島流しになった、いわば三島の先駆者(武家政治に対してわざと負け戦を挑み、敗残者となることで天皇家の存在を誇示した)人です。 武家政治と戦…

真似句亭日乗(16)離婚事情回想5

「まず妻が(おそらく計画的に)娘たちを連れて横浜のお兄さんの家に家出、2日後お兄さんとやってきて1か月間はウィークリー・マンションを借りた、手切れ金も出す、離婚してほしい。ぼくは娘たちを早く元の環境にもどしたかった。「こいつのことじゃなく、娘…

三島由紀夫について(上)

平凡ですが、頭が良すぎて気の毒だった人だと思っています。すべてにおいて自己の理想像をまっとうしようとしたら疲れちゃいますよ。村上春樹が三島には芸術家の感受性に対する特権意識がある、と批判していましたが、本当はそんなこともなかったと思う。西…

真似句亭日乗(15)離婚事情回想4

ぼくを知っている人、知りあう人は前科(!)を打ち明けてもぼくという人間を信じてくれるから、執行猶予も1年前に満了した今は堂々と冤罪だと言えます。もしDVを起こしたと疑われてもそれはそれでいい。女の密告で警察に売られたヒモ(ボーナス良かったでしょ…

サン・ラ・アーケストラ!

サン・ラというミュージシャン(ピアニスト、バンドリーダー)をご存じですか?フランスのGongとMagmaが宇宙人という設定でバンドやっているのはSun Ra Arkestraという50年代初頭からシカゴで活動していたジャズのビッグバンドの直接の影響です。 ステージは熱…

真似句亭日乗(14)離婚事情回想3

「ぼくの裁判は法治国家としては最低だと思います。確かに厳重に救済しなければならないDV家庭には適用すべき条令でしょう。でもぼくの場合は新条令のキャンペーンとして捏造されたものです。妻すら離婚を決定的にしたいだけの動機で告訴状に署名したので、…

パニック障害(発作)について・2

前回参考にしたのは「家族のためのパニック障害サポートブック」という良くできたパンフレット(患者から見ても納得)ですが、とりあえずパニック障害を克服できただけでも前進です。 躁鬱病を抱えているから完治ではなく、1~2か月に1度ほどはパニック発作が…

真似句亭日乗(13)離婚事情回想2

「警察はひどいものでした。「この半年間でご主人ともめたことは?3つは挙げてくださいよ」というような質問を妻は受け、口論があったことを3件挙げた。担当刑事はそれを3件の暴行に膨らませた告訴状を作成し、妻に署名・捺印させた。否認するとしたら人格証…

パニック障害(発作)について・1

ぼく自身がパニック障害(パニック発作)の経験者です。2004年秋から始まり、家庭生活末期の2006年末~2007年春に肺炎と知人の自殺と躁鬱病の発症と共にピークを迎え、離婚後次第に回数を減らして2009年秋にほぼ終息しました。躁鬱病を抱えたままでは完治とは…

真似句亭日乗(12)離婚事情回想1

「仕事でゲイ(男女とも)やフェミニズム論者(と反フェミニズム論者)のかたがたに取材しましたが、あんまり幸福な感じはしませんでしたね。どこか無理がある。おおらかさがない。それに本当は自分の主張していることを信じていないんじゃないか、という気がし…

急な階段

9月21日17時停電、22時05分復旧。 この賃貸マンションに入居して満4年になる。ぼくが住んでいるのは2階建ての2階、当然エレベーターなんて呑気なものはついていない。外階段があるだけだ。この満4年間でぼくがいちばん登り降りしたのはこの階段ということに…

谷岡ヤスジ「ある漫画家の苦悩」

今回ご紹介する「ある漫画家の苦悩」(仮題)は、作品制作をそのまま作品にするメタフィクションの好見本ともいえる一篇。 「ベロベーマン」《連載100回忌×記念》 ・ペン先「まずだいたいの線を描いて」 ・同「で、こんな線も引いて」 ・同「この辺を畑にして…

真似句亭日乗(11) 出版業界回想10

(略) 「…ご質問ですが、以前触れたようなクリエイター、パフォーマーのかたがたのインタビュー、制作現場取材、作品評、文学、音楽、演劇、映画、美術などの文系サブカルチャーに、ファッションなどの流行、芸能、精神世界や社会などのジャーナリズム系。車…

真似句亭日乗(10)出版業界回想9

「風俗っていろいろあるんですね!でもなぜこうした仕事に就かなければならないほどお金に困ってしまうんですか?」 「第三者に負わされた膨大な借金です。その道のプロがいるんですよ、組織所属の。そこらへんで遊んでいる女の子をひっかけ高級マンションに…

フレンチ・ロックの夢幻な世界

まず掲載のアルバムを。上からパルサー「ハロウィーン」1977、ワパスー「ミサ・ニ短調」1976、アトール「夢魔」1975、どれも70年代フレンチ・ロックの名作という定評がある。名作は他にもあるが今回もジャケットで選びました(笑)。3バンドとも個性が強いので…

真似句亭日乗(10)出版業界回想9

「風俗っていろいろあるんですね!でもなぜこうした仕事に就かなければならないほどお金に困ってしまうんですか?」 「第三者に負わされた膨大な借金です。その道のプロがいるんですよ、組織所属の。そこらへんで遊んでいる女の子をひっかけ高級マンションに…

ヤキトリ屋の真実

ネタに詰まると出てくる「こーちゃん」。前回はシャッターが閉まっていたが、今回は開店してからの外観を盗撮してくることができた。盗撮というといけないことやあぶないことでもしているようだが、前回紹介した時には気がつかなかった。このヤキトリ屋、道…

真似句亭日乗(9)出版業界の回想8

「社交性があって気転が効き、敵味方を作らずクール(笑)。そんな人ならどんな職業でも成功しそうな気がしますが(笑)」 「ぼくも苦笑します。現実にぼくにその資質があったのではなく、そうあることを求められる稼業に就いてしまったのです。ぼくはあたう限り…

Happy Halloween!

とまあ、スーパーでもハロウィンのお菓子のコーナーが枯葉色に目を惹く季節となった。まるで柿の種コーナーのようでもある。 それまでもあったかもしれないが、コーナーまでつくられるようになったのは2000年代のいわゆる0年代半ばだったのではないか。長女…

真似句亭日乗(8)出版業界の回想7

「大手に移らなかった理由は他にもありました。遊び場情報誌の編集を委託されていましたが、吸収後は全員が情報誌編集部に一本化される可能性が大きい。他社に移った人たちの動機もそれです」 「遊び場ってなんですか?」 「いわゆる「風俗」です。キャバク…

ジャズと脚の関係

まず紹介します。上からパット・モラン「ジス・イズ・パット・モラン」1956、ソニー・クラーク「クール・ストラッティン」1958、カーラ・ブレイ「ライヴ!」1981、いずれもピアニストの人気アルバムです(パット・モランとカーラ・ブレイは女性ピアニストです…

真似句亭日乗(7)出版業界の回想6

「大手にも移らず、他社にも行かずぶらぶらしていたんですか(笑)。やっぱり頑張りすぎて疲れちゃったんですか?」 「おっしゃる通りです。とにかく休みたかった。それでお金に困ったら働き口を見つければいいやと思っていました。いざそうなってあちこち当っ…

真似句亭日乗(6)出版業界の回想5

「だからぼくはいわばひとり編集プロダクションみたいなものでした。ぼくが移らなかった大手の青年誌でも担当者との打ち合わせの後、1折(輪転機印刷では16ページ分)まるごと取材・レイアウト・ネームをぼくひとりで仕上げる、という依頼も数誌からありました…

谷岡ヤスジ「サンマの死」

先日、谷岡ヤスジの傑作「ウナギの死」を改めて図版つきで紹介した。以前にも並べて紹介したが、おそらく「ウナギの死」の後で焼き直しに書かれた類似作品がこの「サンマの死」だ。 「ウナギ」は「ヤスジのアニマルどー」5P、「サンマ」は「ヤスジのドッチラ…

真似句亭日乗(5)出版業界の回想4

フリーライターの仕事は慣例では依頼に当って金額は提示されない、と既に書いた。ぼくは編集経験者だったから、だいたいの見当はつけることができた。しばらくはきびしいぞ、とうんざりもした。自宅の机の横の壁にスケジュール表を貼り、版元と掲載誌・月号…