人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

2019-06-01から1ヶ月間の記事一覧

修正版『偽ムーミン谷のレストラン』第五章

(41) 予定変更。最終章・第五章。 レストランの床にステッキが倒れ、シルクハットがひらりと落ちると床の上を転がってどこかのテーブルの下に潜り込みました。レストランの中の全員が――つまりムーミン谷の住民全員のうち、 ・ここにいる人全員、と ・ここに…

映画日記2019年6月16~18日/続『フランス映画パーフェクトコレクション』の30本(6)

今回からが'40年代でも第二次世界大戦後のフランス映画になります。廉価版DVDボックスセット『フランス映画パーフェクトコレクション』にはパブリック・ドメイン作品でも名作と名高い作品や定評ある監督、話題作が優先収録されているので(『ジャン・ギャバン…

首都圏版2019年深夜夏アニメ(7月~9月)一覧

7月から放映の新作深夜アニメの放映予定もほぼ集まりましたので、首都圏の放映予定ですが、地上波での放映日・放映時間順に曜日一覧にまとめてみました。なお有料チャンネル、配信のみの新作は外しました。次の秋アニメ(10月~12月)の頃にはもうヤフーブログ…

修正版『偽ムーミン谷のレストラン』第四章

(31) 第四章。 前回は爬虫類や哺乳動物の陰茎や睾丸の話で始終してしまい非常に遺憾だ、とムーミンパパは壁に手をついてうつむきました。慙愧の至りだ。反省、いや猛省。どうせ駄弁るなら魚卵や卵巣の話の方が良かった。私は食べたことはないが、フグの卵巣…

映画日記2019年6月13~15日/続『フランス映画パーフェクトコレクション』の30本(5)

コスミック出版『フランス映画パーフェクトコレクション』続刊3セット30本からの年代順視聴は今回から'40年代作品に入ります。'40年代と言ってもフランスは'39年~'45年は第二次世界大戦下だったのでこの時期の新作映画製作本数は減少しており、戦後も'48年…

修正版『偽ムーミン谷のレストラン』第三章

(21) 第三章。 最初、人びとはスナフキンの存在に気がつきませんでした。あるいは、気がつかないふりをしていました。気づくとはすなわちその存在を認めることであり、認めてしまえばそれは間違いだ、認識の違いだと言い張ってもあとの祭りです。 ですが認識…

映画日記2019年6月10~12日/続『フランス映画パーフェクトコレクション』の30本(4)

コスミック出版の『フランス映画パーフェクトコレクション』はパブリック・ドメイン作品から選ばれた、フランス映画がサウンド・トーキー化された1930年から1953年(パブリック・ドメイン作品の年限)までの集成で、サイレント時代の作品は外されています。既…

修正版『偽ムーミン谷のレストラン』第二章

(11) 第二章。 従者は伝令の役目を果たして引き上げて行きました。戸口まで見送ったのは好奇心旺盛なくせに気取り屋なので谷の陰口を一身に集めているスノークで、ぼんくら揃いでは例外ない谷の住人であるからにはスノークもまたぼんくらのひとりでしたが、…

修正版『偽ムーミン谷のレストラン』第一章

(1) ムーミン谷にレストランができたそうだよ、とムーミンパパが新聞から顔を上げると、言いました。今朝のムーミン家の居間には、 ・今ここにいる人 ・ここにいない人 ……のどちらも集まっています。それほど広くもない居間に全員が収まるのは、ムーミン谷の…

映画日記2019年6月7~9日/続『フランス映画パーフェクトコレクション』の30本(3)

昨年ご紹介した『フランス映画パーフェクトコレクション』(コスミック出版)の『ジャン・ギャバンの世界』第1集~第3集、『舞踏会の手帖』『巴里の屋根の下』『天井桟敷の人々』は6巻合わせて60本中'30年代作品26本(ギャバン主演作16本、その他10本)、'40年代…

集成版『NAGISAの国のアリス』第八章(完)

(71) 第八章(終章)。 春陽堂『明治大正文学全集』は改造社『現代日本文学全集』(1926年-1931年・25万部)に続く「円本」として刊行、発行部数15万部。 ●春陽堂明治大正文学全集全60巻 出版年 : 昭和2年(1927)-昭和7年(1932) ●第1巻東海散土篇佳人之奇遇 矢野…

映画日記2019年6月4~6日/続『フランス映画パーフェクトコレクション』の30本(2)

自慢になるようなことではありませんが、この足かけ4年続けている映画日記は手間だけはかかっていて、1回分で映画3本には1本あたり5,000字くらいになるので1回で計1万5,000字強と分量だけでもやっかいです。あらすじや概要(製作事情)を文中におりこむと、ど…

集成版『NAGISAの国のアリス』第七章

♥ (61) 第七章。 ハートのキングは白ウサギに、ジャックの告訴状を読み上げるよう命令しました。白ウサギは開廷合図のトランペットを3回吹くとポケットから巻物を取り出して広げ、朗々と歌い出しました。 「♪夏にまるまる1日がかりで ハートのクイーンが作っ…

映画日記2019年6月1~3日/続『フランス映画パーフェクトコレクション』の30本(1)

書籍扱い流通のコスミック出版刊行による廉価版10枚組DVDボックスのシリーズはこの映画日記でもたびたび取り上げており、昨年4月には『フランス映画パーフェクトコレクション』で最初に出た『ジャン・ギャバンの世界』全3集30作、また9月には続いて発売され…

集成版『NAGISAの国のアリス』第六章

(51) 第六章。 帽子屋と三月ウサギとネムリネズミがお茶会用のちゃぶ台を運んできて自分の席に着きました。そこにアリスもやってきます。 席はないぞ!と帽子屋とウサギ。空いてるじゃない、とアリスは言って、いちばんいい席に座りました。しぶしぶウサギが…

集成版『NAGISAの国のアリス』第五章

(41) 第五章。 10歳のアリスはお姉さんのロリーナ(13歳)と妹のエディス(8歳)と一緒に川のほとりに座り、ドジソン先生のお話を聞くのが好きでした。ドジソン先生は当年とって30歳、男ざかりの数学の先生で、年ごろの男性にはよくあることですが同年輩の男も苦…

映画日記2018年5月30日・31日/B級西部劇の雄!バッド・ベティカー(1916-2001)監督作品(8)

今回でバッド・ベティカー監督作品のご紹介はひとまず終わりで、ベティカーは'44年の監督デビュー(それ以前にコロンビアで60分強の中編戦争映画が'42年、'44年にノンクレジットながらあり)からコロンビアにB級フィルム・ノワール5作、インディー・プロのイー…

集成版『NAGISAの国のアリス』第四章

(31) 第四章。 ようやく着いたよ、とカッパとサルとイヌは海岸で大きく伸びをしました。遊んでいられる夏も再来年に卒業を控えた大学時代のこの年が最後ですから、三匹は学生時代最後のレジャーを満喫するため予算の許す限りの国内の南国で過ごしにやってき…

テッド・カーソン Ted Curson - ドルフィーに捧げる涙 Tears for Dolphy (Fontana, 1965)

テッド・カーソン・カルテット Ted Curson Quartet - ドルフィーに捧げる涙 Tears for Dolphy (Fontana, 1965) (Ted Curson) : https://youtu.be/MxXkbgQWx3c - 8:32 Recorded on August 1, 1964 Released by Fontana Record Netherlands as the album "Tear…

集成版『NAGISAの国のアリス』第三章

(21) 第3章。 ウサギが素早く生け垣の下のウサギ穴に飛び込むのをぎりぎり見とどけたアリスは、一瞬の躊躇もせずに自分も穴に飛び込んだのでした。もちろん後先考えず、出る時はどうするのかも考えずにです。 ウサギ穴はしばらくのうちはトンネルのように真…

映画日記2018年5月28日・29日/B級西部劇の雄!バッド・ベティカー(1916-2001)監督作品(7)

いよいよバッド・ベティカー監督の代表作「ラナウン・サイクル」7連作も後半に入ってきました。今回ご紹介する2作のうち『ライド・ロンサム(孤独に馬を走らせろ)』はジョン・ウェイン主宰のバトジャック・プロ製作の『七人の無頼漢』の路線をとハリー・ジョ…

集成版『NAGISAの国のアリス』第二章

(11) 第二章。 正月、真昼、場所は川辺。あと必要なのはサルとイノシシとキジね、とアリスは言いました。私そんなこと言いません、とアリス。どうしてかね、旅のお伴は多い方が楽しくないかい?だから水玉の服も着なくちゃね、とドジソン先生は言いました。…

集成版『NAGISAの国のアリス』第一章

(1) 10歳のアリスはお姉さんのロリーナ(13歳)と妹のエディス(8歳)といっしょに川のほとりに座り、ドジソン先生のお話を聞くのが好きでした。ドジソン先生は当年とって30歳、男ざかりの数学の先生で、年ごろの男性にはよくあることですが同年輩の男も苦手なら…

映画日記2018年5月26日・27日/B級西部劇の雄!バッド・ベティカー(1916-2001)監督作品(6)

バッド・ベティカーの映画は『美女と闘牛士』'51以前の作品は日本では未公開で、それ以降の作品も半数は日本劇場未公開だったのですが、2010年代になって初期作品はDVD発売で初紹介され、2017年には『七人の無頼漢』からの「ラナウン・サイクル」7連作の日本…

中国初(?)のパンクロック・バンド!ドラゴンズ(龍=Dragons)

ドラゴンズ 龍(Dragons) - 熱烈火焰 Ardent Flame (Barclay / Polygram, 1982) Originally Released as 7", 45rpm by Barclay / Polygram Records SO7B 1006, Japan, 1982 (Side A) A1. Ardent Flame (Zedletski) : https://youtu.be/SiJm2xrPwLo (Side B) B…

集成版『夜ノアンパンマン』第八章(完)

(71) 第八章。 今日もこれから降りかかってくるばいきんまんの策略などいざ知らず、アンパンマンはジャムおじさんのパン焼き場に入っていきました。ジャムおじさんおはようございます、やあアンパンマンおはよう。おはようアンパンマン、とバタコさん、わん…

映画日記2018年5月24日・25日/B級西部劇の雄!バッド・ベティカー(1916-2001)監督作品(5)

ついにベティカーの名を映画史に刻みこんだバート・ケネディ(1922-2001)脚本、ランドルフ・スコット(1898-1987)主演の、のちに「ラナウン・サイクル」と呼ばれるようになった7連作の第1作『七人の無頼漢』'56と第2作『反撃の銃弾』'57をご紹介できる番になり…

集成版『夜ノアンパンマン』第七章

(61) 第七章。 不安な夢から目覚めると、ばいきんまんは自分が一個の巨大な乳頭になっているのに気づきました。普通起きると乳頭になっているなどということはほとんどありませんから、ばいきんまんもこれは悪夢の続きか、何かの冗談かと思いました。冗談だ…

映画日記2018年5月20日・21日/B級西部劇の雄!バッド・ベティカー(1916-2001)監督作品(4)

'53年度のベティカー作品は5作品ありますが最初の『海底の大金塊』(2月公開)と最後の『East Of Sumatra』(11月公開)は海洋SFアドベンチャーなので西部劇は『最後の酋長』『平原の待伏せ』(前回紹介)と『黄金の大地』の3作で、ユニヴァーサル社とは2年契約だ…

集成版『夜ノアンパンマン』第六章

(51) 第六章。 アンパンマンはベッドからそのまま床に転げ落ちたのではなく、足の足の方を下にして滑り落ちるように転がったので、ベッドの縁に支えられて斜めに転げ落ちたのでした。どうやらこの感触は、さっきまで考えていたようなスマキのような状態では…