人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

2012-07-01から1ヶ月間の記事一覧

(11)映画「オールスターズDX3」

プリキュア映画第10作記念作品・「オールスターズDX」三部作最終作「映画プリキュアオールスターズDX3 未来に届け!世界をつなぐ☆虹色の星」(11.3・監督=大塚隆史・東映配給・70分・興行収入10.2億円)はDX2の制作段階から企画されていたもの。個別の歴代プ…

ミック・フリートウッドの謎

フリートウッド・マックといえば70年代アメリカでもっとも高いレコード売上げを誇ったロックバンドで、最盛期のアルバム「噂」1977(画像3)などは全米チャートNo.1を31週間、1000万枚に迫る特大ヒットだった。女性のほうはバンドの歌姫スティーヴィー・ニック…

(10)映画「ハートキャッチ!」

今回はスチールもつけた。絵柄がこれまでのプリキュアとかなり違う、かつての「おジャ魔女どれみ」に近く頭身は大きめ、色彩も原色を避けた柔らかいものになっている。これは敵組織「砂漠の使徒」の戦術が人間のコンプレックスからモンスター「デザトリアン…

I Could Write A Book(本を書く)

○コメントと断片より (1)ぼくは70年代後半に10代でしたから、HRではスコーピオンズ、プリースト、UFOが新鮮で、この3バンドは70年代に傑作ライヴ盤を残した点でもキャリアの類似を感じます。そりゃツェッペリンやレインボーは格が違う感じでしたが。 後追い…

ゴダール「気狂いピエロ」1965

65年といえばビートルズは「ヘルプ!」「ラバー・ソウル」、ジョン・コルトレーンは「トランジション」「アセンション」、そしてゴダールはパリのロケながら未来都市という設定のSF映画「アルファヴィル」とこの「気狂いピエロ」といった具合に創造力爆発の…

サンハウスの元ネタをさぐる

70年代の博多ロック・シーンが誇る偉大なバンド、サンハウスの元ネタさがしなど悪趣味で不遜なのだが、有名な『レモンティー』を筆頭にどうもサンハウスを聴くとモヤモヤする、という人は多いだろう。ちなみに『レモンティー』はジョニー・バーネット・トリ…

ゴダール「勝手にしやがれ」1960

筆者が高校生の頃には「勝手にしやがれ」は20年前の映画、「気狂いピエロ」ですら15年が経っていた。だがこの2本に代表される初期ゴダールの瑞々しさ、痛々しいまでの感受性はどうだろう。後に(後追いでだが)日活ロマンポルノの名作群を見て、ゴダールの系譜…

レッド・ミッチェルのベース!

ベースほど日陰の楽器はない。本当はベースの役割はすごくて、ギターとピアノとドラムスの役割を一身に務めるだけの表現力があるのだが、普通のバンド編制では「誰がやっても同じじゃん」と言われてしまう楽器だった。 本当に「新しいベースのスタイル=新し…

(9)映画「オールスターズDX2」

前作の「DX」とテレビ・シリーズの連動による大成功から春公開=DX、秋公開=テレビ・シリーズ特別版、と年間プリキュア劇場作品2本体制になったのはこの作品から。この時点でプリキュアは最初のテレビ・シリーズから7年目に入っている。5歳だった長女も小学…

恒例!谷岡ヤスジ「ウナギの死」

昨年も谷岡ヤスジの傑作「ウナギの死」を紹介して好評を得た。本日の土用に乗じて蒲焼を食する方もさぞかし多かろうと思い、滋養と贖罪の意味で共に再読いただければ、と再録する。原作は5ページのギャグマンガである。では「ウナギの死」を。 ・シリーズタ…

(8)映画「フレッシュプリキュア!

シリーズ第2作「May Heart」で玩具売上123億円、次作では60億円と打ち切り検討されるほど低迷したが「プリキュア5」「プリキュア5GoGo!」では105億円を達成し映画も8億円のヒット、新シリーズ「フレッシュプリキュア!」09.2-10.1は放映開始翌月の「映画プリ…

土用の丑の日前哨戦

という訳で明日は去年の丑の日同様故・谷岡ヤスジ(1943-1999・享年56歳)の大傑作「ウナギの死」を、今回はコピーから複写して採録ネームともどもお目にかけたいと思うのだが、天才ならではの無頓着というべきかヤスジにはまったく同工異曲の作品も多い。この…

(7)映画「オールスターズDX」

70年代の学校休み期間といえば子ども向け映画のロードショーが小学生の楽しみだった。東映まんがまつりでは5~6本のテレビシリーズの編集版が見られ、さらにスペシャル中編で「マジンガーZ対デビルマン」とあっては親に泣いて懇願したものだが、この「対」…

オザンナのベスト・アルバム

オザンナのような70年代プログレッシヴ・ロックのバンド(しかもイタリア)にベスト・アルバムは難しい。曲が長尺とか作品ごとに作風が異なるとか、これはプログ・ロックに限らず70年代ロック全般に言える。 曲の長尺化はハウス以降・90年代以後のロックには再…

(6)映画「Yes! プリキュア5GoGo」

前作は鏡の国で今回はお菓子の国。女児向けわかりやすさもこうなると潔い。「映画Splash☆Star」までの試行錯誤の時期はひとまず過ぎたんだな、と思わせる。だが翌年3月には初の映画独自企画で全プリキュアが登場する「映画プリキュアオールスターズDX」の公…

受診日半日日記(7月23日・月曜)

おつかれさま→おれ。これで隣町だったり歯医者も込みなら相当だが、今日は同じビル内の内科と精神科だけだ。数日ぶりに夏日(とは言え日陰で風が吹けばしのげる)なので、去年別れた女に無理矢理プレゼントされた布団を干し、シーツも毛布も布団カヴァー・枕カ…

(5)映画「Yes! プリキュア5」

前作の玩具売り上げ・映画興行収入不振から突然セーラームーン化した5人体制のプリキュア。だがセーラームーンとプリキュアのミッシング・リンクにやはり5人の中学生少女の魔法バトル作品「東京ミュウミュウ」02.4-03.3があり、漫画版は「なかよし」掲載だっ…

My Foolish Heart(愚かな私の心)

○コメントと断片より (1)子供の頃から猫歴は10匹ほどです。独身のアパート暮らしでも半ノラで飼っていました。避妊しない猫は2年もたつと甘えも遊びもしなくなるけど、避妊した猫はずっと子猫のままですね。おっぱいのつもりか、服をチューチュー吸ったりし…

(4)映画「Splash☆Star」

フル・タイトルは「映画ふたりはプリキュアSplarsh Star チクタク危機一髪!」で前作の1年後に公開(05年12月・監督=・東映配給・50分)。今回注目すべきはこの長さ、というか短さだ。テレビスペシャルか前後編くらいの長さで、長篇とは言い難い。 それは興行…

ビーチ・ボーイズのベスト20

さて、ビーチ・ボーイズのベストはLP時代から20曲と決っている。1曲2分もないからだ。画像は最新(2012年)とデヴュー当時(1962年)。23年ぶりの新作も発表し、結成から50年を過ぎて平均年齢は70歳を超え、今年8月には来日公演までするのだ。元祖素行不良バンド…

不眠症退屈日記(20-07-12,Fri.)

画像は劇場用映画プリキュア10作記念作品。最初は苦労したが3日かけて9作品までの記事を書いた。なにもいい歳をした中年男が商売でもないのに「プリキュア映画全作紹介」など書いているのは好きで全作を数回以上見ているからだ。特に寝つきの悪い夜には「オ…

荒川洋治『見附のみどりに』(再)

実はこれは金子光晴『洗面器』の続きである。この情景を詠んだ詩は『洗面器』と『見附のみどりに』しかないのではなかろうか。しかもどちらも名作となると踏襲しただけでパクリと見なされかねず、匹敵する作品をものせる見込みはほとんどない。 『洗面器』と…

(3)映画「ふたりはプリキュア2 」

劇場用長篇第2作は前作と同年の暮れに公開。シリーズ中の同一作から2作の劇場用長篇が制作されたのはこの後は例がない(「Yes!プリキュア5」と続篇「Yes!プリキュア5GoGo!」は各1篇が制作されたが)。それが「映画ふたりはプリキュアMax Heart2 雪空のともだち…

金子光晴『洗面器』(再)

金子光晴(1895-1975)は愛知県生まれ、東京育ちの詩人。第一詩集「赤土の家」1919(25歳)は当時流行のヒューマニズム詩だったが、詩集刊行の直後から2年間ベルギー留学し、帰国後の第二詩集「こがね蟲」1923(29歳)では耽美派の象徴詩人になっていた。 奔放な性…

(2)映画「ふたりはプリキュア」

プリキュア・シリーズは2年目の「ふたりはプリキュアMax Heart」から劇場用長篇作品が制作されるようになった。「Max Heart」は前作の続篇で、妖精界「光の園」復活の謎を秘めた少女・九条ひかりが第三のプリキュア・シャイニールミナスとして前作からの美墨…

Seasons Of Wither(衰弱の季節)

○コメントと断片より (1)こういう日は薬がよく効き、じゅうぶん眠った後なのに朝の服薬したら一服盛られたみたいに意識朦朧として午後まで熟睡してしまいました。やばい。メンタル系の薬は「悪性症候群」という中毒症状を引き起こす場合があるんです。主な症…

(1)「プリキュア」シリーズ

これから12回ほどは日本の女児向けアニメ「ふたりはプリキュア」シリーズを楽しく振り返ってみたい。04年の第1シリーズ以来、テレビ・シリーズは9作目、劇場用長篇作品は12作を数え、第1作以来玩具メーカーの「好きなキャラクター」アンケートで幼稚園・小学…

D・リチー「映画理解学入門」

初版1984年、キネマ旬報社刊。初版のタイトルは「映画のどこをどう読むか-世界の10本の傑作から・映画理解学入門」で、2006年にスタジオジブリから再刊され「ジブリLibrary-映画理解学入門」とすっきりしたタイトルになった。昔なら篠田一士「20世紀の10大…

フラワー・トラヴェリン・バンド

原著2007年(英)、翌年翻訳刊行されたジュリアン・コープの名著「ジャップロック・サンプラー」は日本の70年代ロックの仔細な研究書です。コープといえばエコー&ザ・バニーメンと並び称された80年代のネオ・サイケ・バンド、ティアドロップ・エクスプローズ…

What's New?(最近どうしてる?)

○コメントと断片より (1)ぼく自身が20代、平均的には30代半ばに見えるらしいのですが、おっしゃる通り実年齢に釣り合わず若く見える、内面的な幼さが容貌に表れているのは確かに人によっては感じます。岡田尊司「統合失調症」(PHP新書)は序章で統合失調症患…