人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

2012-08-01から1ヶ月間の記事一覧

(1)日本の60年代ロック研究史

日本においてはまず同時代証言者として近田春夫が80年初頭からラジオでしばしばグループ・サウンズ特集をし、元GSの直接証言も増え始め、音楽誌「プレイヤー」でも特集が組まれた。タイガースがデヴューし、ブルー・コメッツが「ブルー・シャトウ」でレコー…

詩人の相場・その他のエッセイ

○コメントと断片より (1)ないすコメント(笑)。ついでにネット通販(Amazonとか)で立中潤、氷見敦子を調べてみるのをおすすめします。唖然としますから。少なくともぼくは唖然としました。情けなくなった、というべきかな。 (2)どうもありがとうございます。子…

ベルギーの70 年代ロック

マキャヴェル、ユニヴェル・ゼロ、アクサク・マブール、ジュルヴェルヌ。国際的に成功したベルギーのバンドは70年代より80年代に入ってからの活動で知られるが、この4組になる。ベルギーはオランダ領の時代が長く、19世紀初頭(1830年)に独立後カトリック教徒…

ビートルズ「62-66」「67-70」他

○コメントと断片より (1)調べてみました(笑)。日本初CD化は1998年3月です。現在流通しているものは2010年11月の価格改訂版(安くなった)。 ちなみにLPリリースは1973年3月で、ローリング・ストーンズの「ホット・ロックス」、ビーチ・ボーイズの「エンドレス…

フィンランドの70年代ロック

北欧で国際的成功をおさめたアーティストというとさすがにノルウェーはきついが、フィンランドならウィグワム、タサヴァラン・プレジデンティ、ペッカ・ポーヨラで決まりだろう。先の2組はフィンランド最大の大物といえる存在でメンバー間の交流も深く、とも…

大読書・天井4メートルその他

○コメントと断片より (1)訳文のいい児童書はいいですね。ガキ自慢になってしまいますが、長女は学童保育(こちらの自治体では「わくわくプラザ」)に行っていたので夏休みの読書が100冊を越えていて、全部タイトルも覚えており大したものでした。1年生の時です…

デンマークの70年代ロック

この世界の70年代ロックめぐりはまず仏独伊を連載でやり、日本をやり、それから仏語圏カナダから旧共産圏まで9か国を追加した。よくよく手持ちのCDを漁っていたらスペインは2回できた。スペインの70年代ロックでは筆者最愛のバンド、カンパニーヤ・エレクト…

清々しい「昭和」・その他エッセイ

○コメントと断片より (1)こんにちは。掲載した立中・氷見ともどもポートレイトを「清々しい」とご感想いただき、改めてぼくはこの詩人たちを愛惜していたんだなあ、と思いました。若くして亡くなった人たちですが、ぼくはもっと若い歳から読んで、今は彼らよ…

(跋)詩人氷見敦子・立中潤

本文全20回、序・跋回も入れて22回でようやく「詩人氷見敦子・立中潤」は完結する。すでに書くべきことは書いたので、跋では落ち穂拾いとでも言うべきことが主になる。 たとえば前回の氷見敦子『「宇宙から来た猿」に遭遇する日』は85年10月号の「現代詩手帖…

Alter Ego・その他エッセイ

○コメントと断片より (1)別名義=別人格、という発想は芸術家から犯罪者まで多く見られる事例です。重度の精神疾患から多重人格に陥る例以外でも、芸術家が手法的・主題的に狂人や犯罪者を模倣する時、多重人格・または人格の乖離はもっとも通俗性が強い、あ…

(20)詩人氷見敦子・立中潤

遺作『鍾乳洞へ~』執筆直前、生前発表された最後の一篇を抄出する。 『「宇宙から来た猿」に遭遇する日』 四月十日/午前十一時過ぎ。急いで部屋を出る。 (…) 井上さんが手を上げて、タクシーを止める。 * (最初に、 -どちらまで? と、タクシードライバー…

感想文「崖の上のポニョ」

○コメントと断片より (1)昔の映画のエンディングはあのくらいあっけないのが多いですよ。ラストシーンたった1分とか。ディズニーの「白雪姫」やヒッチコックの諸作を思い出してください。町が大洪水になってからの描写や展開はもう何でもありで、散漫さを感…

(19)詩人氷見敦子・立中潤

立中最後の連作から残る一篇を抄出する。劈頭の作品で、ようやく安定した詩法を確立したことがわかる。 『墓地にて』 1 つぶれた夢たちはきみの骨の襞でやはりくすぶっているか つかえた胸底をやぶって沸騰してくるものを いま きみの生存の血液はどのように…

宮崎駿「崖の上のポニョ」2008年

初のテレビ放映が2010年2月5日だから今夜(12年8月24日)は2年半ぶり・2回目の放映になる。作中に津波のシーンがあるため現在は放映自粛作品だろうか、と悲観されていたが、再放映を待っていた人も多いと思う。筆者もそうで、初放映は病状の悪化(重鬱)で見逃し…

(18)詩人氷見敦子・立中潤

遺作「氷見敦子詩集」1986の三番目の詩篇『神話としての「わたし」』から作者は具体的に自分自身を語り手にする。だがそれは生活詩や心境詩とは異なるものだった。 『神話としての「わたし」』 (わたしが * そのマンションに辿り着いたとき 遠い人の記憶に引…

詩人論・その他エッセイ3

○コメントと断片より (1)春先までは携帯電話で古典映画を見ていましたが、夏ともなると集中力がないので10年くらい前のアニメを見ています。「新世紀エヴァンゲリオン」は英語かスペイン語吹替えしかなかったので英語吹替え版を見ました。「東京ミュウミュウ…

(17)詩人氷見敦子・立中潤

立中潤遺稿詩集から最後の一篇をご紹介する。4篇からなる連作で、冒頭の『墓地にて』1~3は略したが『朝の歌』『化石の森』は引用した。残るは立中潤生涯の本当に最後の一篇。散文詩『十月』の姉妹作なのはすぐにわかる。 『幼年論』 1 きみの生存が厚い皮膚…

詩人論・その他エッセイ2

○コメントと断片より (1)どうぞ、ご自分でお書きになったことですから転用なさってください。どのあたりが書いてみて初めてお気づきになったところなのかはわかりませんが…。ぼくも書きながら気がつくことは多いです。筆写というのは現在ほとんど尊ばれませ…

(16)詩人氷見敦子・立中潤

氷見敦子の名を現代詩に刻んだのは「氷見敦子詩集」で、刊行は没後の86年10月、著者の一周忌になる。84年9月~85年11月(遺作)に発表された14篇からなる。遺稿なので詩篇は年代順に並べられている。次の詩は巻頭作品にあたる。 『消滅してゆくからだ』 眠りに…

詩人論・その他のエッセイ

○コメントと断片より (1)このふたりは本来なら並べて語る作風ではないわけです。ただ、生まれ年からすると同世代なのにとてもそうは見えないんですね。だから並べてみるとその詩人単独では見えなかった現代詩の問題というものが出てくる。ぼくは立中は20歳前…

(15)詩人氷見敦子・立中潤

創作年代推定では立中は『十月』の後3篇(うち2篇は4篇の連作)を書いている。最後の連作を引こう。これが絶筆になる。『墓地にて』『朝の歌』『化石の森』『幼年論』からなるが、中間の短詩2篇を引く。推定では75年5月上旬、立中の自殺は5月20日になる。 『朝…

長女への誕生日プレゼント

長女Aが生まれたのは1998年9月1日で、避妊しなかった日から受胎日も割り出せる。当てはまる日から考えて妻(当時未入籍)はほとんど1回で懐妊したことになる。数か月前まで処女だったのにやる時はやるものだ。ほとんど意志の力で妊娠したとしか思えない。結婚…

(14)詩人氷見敦子・立中潤

1984年、29歳の氷見は年初から詩人仲間の「井上さん」と文京区千石のマンションで事実婚に入る。6月には詩友・岩佐なをに「二年前からの胃痛が胃潰瘍になり薬をはなせない」との書簡がある。同人誌活動は精力的。10月に第四詩集「柔らかい首の女」を上梓。だ…

ポーランドの70年代ロック

実は今回は半分ポーランド、半分ハンガリー。どちらも国家公認音楽家2組ずつしか思いつかなかった。90年代以降は民主化と共に一種のリヴァイヴァルがあって、特にキング・クリムゾン、ジェネシス、イエスの影響は北欧と東欧に大きく、「ポーランドのクリムゾ…

(13)詩人氷見敦子・立中潤

立中潤遺稿詩集「『彼岸』以後」は失敗に終った第一詩集「彼岸」の刊行(74年11月)、第二詩集の破棄(75年3月)以後に執筆された。立中の死は75年5月20日、全13編のうち生前発表のものは4分の1もなく、これらの作品によって立中が改めて着目される、という機会…

チェコの70年代ロック

アルバム紹介からいく。上から、 ○コレジアム・ムジカム「コンヴァージェンス」1971(画像1) ○プラスティック・ピープル・オブ・ザ・ユニヴァース「エゴン・ボンディーズ・ハッピー・ハーツ・クラブ・バンド」1974(画像2) ○フェルマータ「ワスカラン」1977(左…

(12)詩人氷見敦子・立中潤

第二詩集「水の人事」1982の翌年、氷見は詩画集「異性の内側」(岩佐なをとの共著)、第三詩集「パーティ」を上梓する。「異性の内側」は無題の4行詩が6篇だけだが充実した内容。 * 水の地図をひらくと 異性の肩に輝く死魚の鱗が積もっている 建物の深い街を歩…

ギリシャの70年代ロック

前回までフランス(8回)、ドイツ(14回)、イタリア(24回)、日本(1回)の70年代ロック紹介に加えて、1回ずつフランス語圈カナダ、オランダ、スウェーデン、スペイン、アルゼンチンの70年代ロックからベスト3と言えるものをご紹介した。 ベスト3ならギリシャ、チ…

(11)詩人氷見敦子・立中潤

立中作品はどれも長いが、第一詩集の2番目の詩編などは珍しく短い。引用する。 『大量死』 死を謳うために佇立した闘いの原像 否 なによりも黴の浮いた愛の死流 低い坑道を堀り続けた心臓のなか 狭い動脈につたう青い葡萄汁よ 塩辛い汗をふきあげ 火の山の皮…

アルゼンチンの70年代ロック

ロックは歴史も浅い流行音楽なので、60年代~70年代にはわずか数年~10数年の蓄積しかない若いジャンルだった。近代文化が確立した国家にはほとんどロックは進出した。共産圏では60年代末まで禁止されていが、70年代になると国家公認ミュージシャンに限りロ…