2013-04-01から1ヶ月間の記事一覧
黒田三郎(1919-1980)の画期的な第3詩集「ひとりの女に」1954は総数11編の小詩集だが、社会批評的な「荒地」グループの中でも人道的な視点から社会主義寄りの作風で知られた詩人が突然純粋な恋愛詩集を編んだことで注目を集めた。 ご紹介するのは詩集巻頭の二…
Lennie Tristano(1919-1978,piano)。 まるでデス・マスクのようなジャケットの、 Continuity(画像1)58.10/64.6.6 -はウォーン・マーシュとのワンホーン・カルテット(58年)の4曲と、リー・コニッツ、マーシュとのクインテット(64年)の3曲からなる発掘ライヴ…
珍妙な画像を載せたが通販サイトからの広告メールからなので問題はあるまい。筆者の結婚後の家庭は妻と長女・次女だったので家庭全体が女児の子供部屋のようなものだった。近いのでサンリオ・ピューロランドにはよく行ったが、大体あんな感じだ。それにディ…
Lennie Tristano(1919-1978,piano)。 今日でこそ発掘録音や復刻CDでつぶさに楽歴を追える(ほとんど聴かれていないが)とはいえ、50年代のトリスターノはレコードは廃盤、ライヴも滅多にやらないとあって、すっかり過去の人になっていた。そして発表されたのが…
詩の選集に選ばれる頻度は先にご紹介した『夕方の三十分』に大差をつけられるのだが、あちらは父子家庭状態の父親の育児詩という、ひょっとしたら世界的にも黒田三郎が初めて題材にしたテーマで際立っていた。これは一見何でもないことのようだが、未開拓の…
Lennie Tristano(1919-1978,piano)。 トリスターノの音楽活動はこの頃には自宅スタジオでの実験的レコーディングと音楽教師が主体になっていた。MJQより先にジャズ・クラブ出演拒否宣言をしたのもトリスターノで、例外的に演奏中の飲食禁止でライヴ録音を…
今週になってから去年の秋以来治まっていた「足むずむず病」(何たる病名!)がぶりかえし、昨夜はとうとう一睡もできなかった。これは数年前認定されたばかりの奇病で英語では'Restless Leg'と呼ばれ、原因は不明とされているから症状もさまざまな個人差があ…
Lennie Tristano(1919-1978,piano)。 前回掲載の「ライヴ・アット・カフェ・ボヘミア」は元々ビル・ハリス(トロンボーン)・オールスターズ名義のアルバムだが(ボックス未収)それなりに腕利きメンバーの中でトリスターノだけが未来を見据えた音楽をやっている…
黒田三郎(1919-1980)は詩人グループ「荒地」に拠った詩人。初期は社会主義的な題材を扱った作風だったが、結婚生活から日常的な恋愛詩に転じた画期的な詩集「ひとりの女に」1959の成功から内省的な日常詩に独自の作風を確立。読者の共感を呼ぶ数少ない現代詩…
Lennie Tristano(1919-1978,piano)。 モダン・ジャズ黎明期の天才ピアニストといえばセロニアス・モンクとバド・パウエルだがモンクが評価されたのはずっと遅く、バドに続いて注目を集めたのはシカゴ出身の盲目のイタリア系白人ピアニスト、レニー・トリスタ…
戦後のコミュニズム詩人で最も尖鋭的だったのは谷川雁(1923-1995)と黒田喜夫だった。常套的で安易なヒューマニズムはそこにはなく、共産主義自体にも懐疑が向けられた。谷川は30代で詩作と断絶する(晩年復帰したが)。3篇をご紹介する。 * 『帰館』 谷川 雁 …
Bud Powell(1924-1966,piano)。 渡欧以降のバドは普通の基準では計れないピアニストになる。リズム感もフレーズも崩壊寸前で、あまりに気ままに弾いているためにアーティキュレーションもアクセントや構成も判然としないソロを平然と繰り出す。ベースやドラ…
昨日はまだ寒かったが今日は曇りとはいえだいぶマシになる。それでも午前中はまるでやる気にならず、歯科予約の12時半の仕度に起きるまで寝床で二度寝・三度寝していた。歯科の治療は左上の奥歯にもう数か月かかっている。 先週と今週の間に、待ち合い室の配…
Bud Powell(1924-1966,piano)。 バドの精神疾患は30代半ばにして慢性状態に近かったらしい。本格的な発症と入院が23歳だから治療が遅いとは言えない。だがジャズマンという不規則な生活の職業の上に深刻な薬物中毒もあった。噂になるような奇行も目立った。…
今日の通院はメンタルと眼科。起床すると九時をとうにまわっていたので十時予約のメンタルを優先、待ち時間の読めない眼科を後にする(もっとも朝真っ先に受け付けを済ませても十時までに終るとは限らないので、どのみち眼科が後にはなる)。 いまメンタルの受…
Bud Powell(1924-1966,piano)。 53年2月に1年半の再入院から退院してきたバドは、極端にムラの多い演奏をするピアニストになっていた。クラシックのピアニストであれば技術と表現力はそのまま判断材料になるだろうが、ジャズのようにテキストの存在が絶対で…
以前載せた病歴と入院歴を手直しすると、 ・2007.5-別居・離婚・逮捕 ・2007.9-保釈 ・2007.11-精神疾患認定、生活保護受給開始 ・2008.12-悪性症候群(薬物の副作用・推定)により混迷状態に陥りH市F病院に緊急初入院(1か月)。同室患者に同性愛関係を求…
Bud Powell(1924-1966,piano)。 前回掲載の「スティット・パウエル&J.J.」のバド参加は、ソニー・スティット(テナーサックス)との10曲のみだが、これがすごい気迫。スティットも健闘するが、サックスのソロにバドが無理矢理割り込んでソロを始めるは、サッ…
今日みたいに寒く、しかも小雨の日は、手を濡らしたくないからカップラーメンでいいか、という気になる。二年前にはカップラーメンは食べられなかった。買い物かごに入れている人を見るとぎょっとし、このブログを始めたのが一昨年五月だが、カップラーメン…
Bud Powell(1924-1966,piano)。 前回掲載の「ジャズ・ジャアント」も49年1月~2月録音6曲と50年2月録音7曲に分かれる。ベースは前者はレイ・ブラウン、後者はカーリー・ラッセルで、ドラムスは「バド・パウエルの芸術」の47年分からずっとパーカー・クインテ…
七、八年前にちょっとした小林多喜二(1903-1933/獄中拷問死)リヴァイヴァルというか、出版ブームが起きたことがある。正確には多喜二の代表作『蟹工船』(1929)ブームで、同じ頃出版ブームだった「マンガで読む名作文学」でも『蟹工船』はヒット作となった。…
Bud Powell(1924-1966,piano)。 レッド・ガーランドを詳しく取り上げたので、これまで簡単に済ませていたモダン・ジャズの巨匠ピアニストたちを改めて解説する。元々の「モダン・ジャズの巨人25」に選出されていた6人のピアニストで、その時はひとり当り1~2…
いきなり掛かり付けの歯科の衛生士ツカモトさんにご登場願った。写真撮影もブログ掲載も一応了解済みだからいいだろう。制服の色は五色あるそうだが、その日はピンクだったので「子どもが喜ぶでしょう。プリキュアだったらセンターですね」「ええ、私もずっ…
Red Garland(1923-1984,piano)。 前作「レッド・アローン」から6枚挟んで、 Bright And Breezy(画像1)61.1.19 -さらに3枚挟んで、 When There Are Grey Skies(画像2)62.10.9 を録音し、ガーランドは引退して故郷のダラスに帰ってしまう。まだ30代の終りだが…
療養日記といっても通院以外は部屋で安静にしているだけだから特に書くようなこともない。こないだ触れたアイルランドの作家、サミュエル・ベケット(1906-1989)でいえば、ぼくは「マーフィー」38(ひとりの男が逃げ回った挙げ句事故死する話)や「ワット」53(…
Red Garland(1923-1984,piano)。 「スタンダード・コルトレーン」58.7.11の残り2曲と「ザ・ビリーヴァー」「スターダスト」58.12.26の残り3曲から編まれた拾遺アルバム、 John Coltrane'Bahia'(画像1) -は「ザ・ラスト・トレーン」と共に65年の発売(64年説…
ディス・ヒートはパンク・ロック・ブームの真っ最中にロンドンで活動を始めた。チャールズ・ヘイワーズ(ドラムス)とチャールズ・バレン(ギター)は70年代初頭からのキャリアを持ち、バレンは即興系ジャズ、ヘイワードはプログレッシヴ・ロックのバンド、クワ…
Red Garland(1923-1984,piano)。 ガーランド・トリオのアルバム、 Can't See For Lookin'(画像1)58.6.27 -の発売はガーランド引退後の63年8月になった。人気アーティストでも通常は年間2~3枚の発売に調整しないとインフレ状態になるから、マイルス、ガーラ…
しばらく前まではジャズ温故知新のような記事(これは今も続いている)と、強いていえば自伝的な連作を平行して掲載していた。そうは言ってもジャズ記事は先30日分は書き貯めてあるし、自伝みたいなものも一気に400字詰原稿用紙120枚書いて、毎回1000文字ずつ…
Red Garland(1923-1984,piano)。 57年3月リリースの「ラウンド・アバウト・ミッドナイト」に続くマイルスのコロンビア第2作はギル・エヴァンズ指揮のビッグバンド作品'Miles Ahead'(57年10月発売)でピアノレスの吹奏楽アンサンブルだった。コロンビア第3作は…