人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

2012-06-01から1ヶ月間の記事一覧

(19)国民的バンド、イ・プー

(15)(16)(17)と私の人生暗かった-ではなくて、オザンナ系大特集は大してアルバム解説もしなかった。総論だけだった。総論#1-イタリア70年代ロックは70年代エアロスミスに似ている。総論#2-オザンナ系伊70年代ロックはジェスロ・タルとキング・クリムゾン…

With God On Our Side(神が味方)

○コメントと断片より (1)具体的に、自分の治療体験から学んだことをお答えします。 -1・薬の副作用が出やすい場合はあまり飲めないのではないか? 最初はごく一般的なものから始まり、診察を重ねて症状を特定し処方を切り替えていきます。どの薬も軽い副作…

(18)暗さ一番マウロ・ペローシ

これまで資料があまりに少ないため紹介できなかったカンタウトーレ(シンガー・ソングライター)を取り上げたい。第七回でご紹介したアラン・ソレンティ(「アリア」1972)、クラウディオ・ロッキ(「魔術飛行1」1971)と並ぶアシッド(サイケデリック)・フォーク歌…

The Earh Move(空が落ちてくる)

○断片とコメントなど (1)「そもそもの始まりは?」なんていうことに興味や執着を抱くのはやはり男(しかも小児的な男)特有の好奇心のようだ。キューリー夫人がいるがあれは夫が早逝した。発見と原因究明は等しい。また発見は発明にも等しい。(社会参加の割合…

(17)地獄へのビリエット(片道切符)

再度ビリエット・ペル・リンフェルノ(Biglietto Per L'Inferno,1974/2009-)を紹介する。「地獄への乗車券」というすごいバンド名だから検索一発で出る。しかもデビュー作と発掘ライヴ全曲、09年の復活ツアーやドキュメント映像がYouTubeで視聴できる。メンバ…

SかMか

今回の画像はキング・クリムゾン「クリムゾン・キングの宮殿」1969(上)とジミ・ヘンドリクス・エクスペリエンス「アー・ユー・エクスペリエンスド?」1967(下)で、上には'21st Century Schizoid Man'(統合失調症)、下には'Manic Depression'(躁鬱病)というタ…

(16)イタリアのヘヴィ・ロック-2

前回はアルバム紹介の紙幅がなくなった。エアロはイタリア移民系バンドだが先輩イタリア系バンドにはラスカルズ、レフト・バンクがいる。エアロのスティーヴン・タイラーはレフト・バンクのコーラスがレコード・デビューで、同バンドのヒット曲『行かないで…

#1・初ジャム・セッションの思い出

(以下は人の勧めで半月前書いたまま放っておいた記事。続篇未定です) 「それじゃ『枯葉』でいいね?」 とTさんは言った。ジャムセッションはまだ始まって3曲目だった。1曲ごとに客席からプレイヤーが呼び上げられ、曲目と簡単な打合せをして演奏する(プレイ…

(15)イタリアのヘヴィ・ロック-1

ついにイタリア70年代ロックのいちばん美味しいところに来た。今回・次回で紹介するアルバム群ときたらもう、イタリア人湾港労働者の脇の下(想像)のように強烈に匂う。しかし匂いほど主観的なものはなく、臭いと思うか芳しいと感じるかは愛だけが分ける、と…

また高尿酸血症

今朝は先週の採血検査を訊きに精神科の受診前に隣の内科に寄った。問診前に体重測定。着衣で70キロ。先週と同じ。まあ一ヶ月で五キロ落としたことだし、前月のコレステロールは順調に落ちてたし。 名前を呼ばれて診察室に入るといきなり「電話番号変わった?…

(14)サブ・カルチャーと非商業性

サブ・カルチャーというのはアンチ・コマーシャル(反商業主義)という側面を伴うことが多い。ポップスとは対立するアプローチで表現領域の実験を行えば程度の差こそあれアンチ・コマーシャルな要素は作品に含まれてくる。 今回ご紹介する三組は明確に反商業主…

記憶の欠落・幻覚と妄想

昨日朝一番から「くすりののみすぎれ…」と呂律の回らない舌で寝ぼけた電話をかけてきた友人は最初の入院の時知り合った統合失調症の男で、ぼくより病歴も長く、借金(彼が貸した)が原因で逆に脅迫で訴えられて拘置所内で発症、釈放後は生後1か月の男の子と出…

(13)アルティ・エ・メスティエリ

ユーロ・ロック3大国から70年代ロックを紹介するこのシリーズ。フランス8回、ドイツ14回で済んだのが嘘のようだ。比率で言うと筆者所有のユーロ・ロックは独50:伊30:仏15:その他5パーセントといったところだが、以前も解説した通り72年~74年にかけて短命バ…

燕の巣日記・6月23日土曜・曇り

写真はいまいちだが子育て真っ最中の燕の巣を見つけた。親燕が頻繁に戻っては餌を与えるのだが、一口ずつだから本当に一瞬で、親燕入り写真は撮れなかった。鴨でも燕でも鳥の子育てを見るたびに人間より偉い生物だと思う。それをいえばミミズだって偉いが、…

(12)不遇バンドの埋もれた名作

これは自信を持って薦められる。複雑・難解さも適度に刺激的で、丹精こめた丁寧な音づくりが巧みな演奏と控え目な歌唱で美しい世界へと誘う。ロカンダは2作、バロッキとアルーザはこの1作しか残さずオイル・ショックと共に消えた。メンバーのその後も含めて…

Motherless Child(母のいない子)

○コメントと断片より (1)こちらこそ、真剣に向き合っていらっしゃる気持が伝わってくる記事だったので素直に応援のコメントをさしあげたのです。ぼくは躁鬱病の入院がこの5年間で4回、計10か月ありますが、「精神疾患」という脳の病気だけではなく、「優しさ…

(11)オルメ派キーボード・トリオ

レ・オルメの後でえいやーっ、とEL&P系(キーボード・トリオ)バンドを引き抜くと(もっとあるが1回3バンドまでにしている)、あまりの通好みにクラクラする。こんなの普通のイタリア人だって知らないだろうし筆者だって知らない。CDを持っているのはLPからの買…

ルイス・ブニュエル「黄金時代」

「サソリの生態はきわめて獰猛であり…」と砂地で格闘しているサソリが描かれる。節足動物のドキュメンタリーのようだ。これは実は露骨にイメージのモンタージュで、監督ルイス・ブニュエル(1900-1983)の監督第二作「黄金時代」1930(B&W・61分・画像1~3)の全…

(10)イタリアのEL&P、レ・オルメ

記念(何の?)すべき第10回はタイトル通りイタリアのエマーソン・レイク&パーマーと呼ばれたレ・オルメ(Le Orme,1968-)です。代表作は「包帯の男」1972(画像1)と「フェローナとソラーナ」1973(画像2)、まるでアルフィー(別れた妻が好きでした)のように根強い…

Strange Days(まぼろしの世界)

○断片とコメントなど (1)はじめまして。ぼくも本から学習したり、入院した時には詳細な観察ノートをつけていました。精神入院は4回、病院は3か所、入院期間は10か月に及びます。ひとつ屋根の下でおよそ200人の患者仲間と暮らしたことになります。ただ、ぼく…

(9)ラディウス~イル・ヴォーロ

フォルムラ・トレのギタリストだったラディウスは当時のこととして当然ジミ・ヘンドリックスの強い影響を受けており、ルチオ・バティスティ人脈の広さもあってイタリアのロック界屈指のギタリストと目されており、またカンタウトーレとしての一面もあった。…

D.W.グリフィス「散り行く花」

サイレント期映画史上画期的な名作といえば「国民の創生」1915にせよ「イントレランス」1916にせよアメリカの「映画の父」D.W.グリフィス監督によるものだった。ただし「イントレランス」はハリウッド映画最大の大赤字映画となり、グリフィスも作品の規模を…

(8)フォルムラ・トレは大物か?

第八回でまだ大物フォルムラ・トレをやっているとは困ったものだ。フランス編はあっさり八回で終了、ドイツ編ではそろそろ先が見えてきたな、という頃だ。予告編で整理してみたら絞りこんで50アーティストというとんでもないことになったが、大物を一通り取…

Superstition(迷信)

○断片とコメントなど (1)イクメン?いや、妻が朝早く夜遅い公務員(当時。郵便局員です)だったので育児・保育園送迎・料理洗濯掃除は時間に融通の効くぼくの役割になったのです。子供が大病するたびにレギュラーの仕事も断らざるを得なかったので終いには依頼…

(7)ロック・カンタウトーレたち

日本でもそうだったのだがまずフォーク・シンガーが人気となる土台ができて70年代ロックが始まった、という流れがある。イタリアではソロ歌手はカンタウトーレと呼ばれて大変な尊敬を受ける。さすが音楽大国出知られる国、歌の国だけある。 イタリアでも日本…

フェデリコ・フェリーニ「8 1/2 」

今回もフェデリコ・フェリーニ「8 1/2」1963(画像1)の続き。1回でまとめるつもりだったが、あらすじ(らしきもの)をなんとか各種データベースから作り上げ、フェリーニのキャリアを紹介し、やっと作品論的な感想文に入ろうとしたら制限文字数だった。しかし感…

(6)老舗で現役ニュー・トロルス

オザンナに似ている。しかもデビューも活動期間もニュー・トロルスの方が長い(分裂期間もあったがニュー・トロルス名義の活動は続いていた)。デビュー・アルバムが1968年だから来年で45年になるのだ。一昨年の秋にはオザンナと共に来日公演を行った。日本で…

フェデリコ・フェリーニ「8 1/2 」

映画紹介を読むととにかくすごい映画らしいのだがタイトルの読み方が解らなかった。判ったのはラジオの音楽番組からで、戸川純在籍「ゲルニカ」の音楽監修は元「8 1/2」の上野耕路氏で、「8 1/2」自体は短命バンドだったがメンバーはヒカシュー、ハルメンズ…

(5)オザンナ・ファミリーの系図

オザンナだけで2回続きになるのはいわゆる「オザンナ・ファミリー」の存在による。今回ばかりはマニアックな記事になることを許されたい。 4枚のアルバムを残して解散したイタリアン・ロックの雄オザンナだが、ここからがさらにしつこかった。人間関係ではな…

Family Affair(家庭の事情)

筆者は双曲1型の躁鬱病で、明らかに父には躁鬱の病相が筆者の物心ついた頃にはあり、伝え聞くと父方の祖父の生活も乱脈をきわめていたという。祖父はオーダーメイド時代の靴職人、父はオーダーメイド時代の洋服職人、筆者はオーダーメイド時代のフリーライタ…