人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

アル中病棟入院記158

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(人名はすべて仮名です)
・4月7日(水)雨のち曇り
(前回から続く)
「このところ入退院や移室が多いので先二週の日直の割当て(部屋単位)もなかなか公平にはいかない。それでもなんとか調整し、次は自助グループ参加経験・予定の確認。未出席者は自分以外にも数名、参加予定の有無の確認、とりあえず15日に松本さん、山崎さん、冬村さん、三田さんと町田市民ホールの断酒会に出席予定になっている。出席未定者の出席割当て、それから全員が院外AAまたは断酒会、院内での講演会の感想を求められて、ランダムに指名されることになる」

「ためになりました、と木島さん。よくわからなかった、と三田さん。お酒の話ばかりでそういうのはもう自分はいらない、もっと美しいものを見つけたい、過去の話はどうでもいい、と言ってのけたのが仲村画伯で、これは立派な発言だった。画伯自身には反発のつもりはなくても、自助グループの不毛な面を指摘し、自助グループに頼らない更正法を主張してしまった。生まれ育ちも沖縄系ブラジル人だから持って回ったところがない人なのだ。では退院後は自助グループに行く気はありませんか?と婦長。ありません。でも妻が行くように言うならそれから考えます」

「次に指名された金田さんはすでに入院中から女性AAに毎週通っており、なかなかいいわよ、男は出入り禁止だからスタッフも女ばかりで、女じゃなきゃ通じない話ができて。退院後は、行かないと旦那が怒るから行くわよ。自分からは行かないんですか?行くわよ。とにかく退院までの学習として入院中に最低一回は自助グループに参加がノルマであり、退院後も外来通院を続けながら自助グループに参加するのが望ましい、とのことだった」

「その点で松本さんは結論を出していた。15日に入院中最初で最後の外出自助グループ参加、退院後に近場でもう一度は参加するが、自助グループは性に合いません。同感。松本さんは脚の壊疽という理由で一度の参加で免除されるだろう。こちらは退院までまだ日があるのであと1、2回参加を迫られるかもしれないが、退院後の通院は自分の元々の通院先に通い、断酒の実行はわからないが断酒の自助グループではなくすでに教会という自助グループがある。おそらく初めて訪ねた時以上の勇気がいるだろうが、それも仕方のないことだ」(続く)