人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

Captain Beefheart & His Magic Band - Trout Mask Replica (Straight/Reprise, 1969)

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Captain Beefheart & His Magic Band? - Trout Mask Replica (Straight/Reprise, 1969) Full Album : https://youtu.be/xiorncOFpcg
Recorded in August 1968 at Sunset Sound Recorders and March 1969 at Whitney Studios, Los Angeles, California
Released by Straight/Reprise June 16, 1969
All words by Don Van Vliet. All music initially conceived by Don Van Vliet. Composition and arrangement by John French.
(Side one)
1. Frownland - 1:41
2. The Dust Blows Forward 'n the Dust Blows Back - 1:53
3. Dachau Blues - 2:21
4. Ella Guru - 2:26
5. Hair Pie: Bake 1 - 4:58
6. Moonlight on Vermont - 3:59
(Side two)
1. Pachuco Cadaver - 4:40
2. Bills Corpse - 1:48
3. Sweet Sweet Bulbs - 2:21
4. Neon Meate Dream of a Octafish - 2:25
5. China Pig - 4:02
6. My Human Gets Me Blues - 2:46
7. Dali's Car - 1:26
(Side three)
1. Hair Pie: Bake 2 - 2:23
2. Pena - 2:33
3. Well - 2:07
4. When Big Joan Sets Up - 5:18
5. Fallin' Ditch - 2:08
6. Sugar 'n Spikes - 2:30
7. Ant Man Bee - 3:57
(Side four)
1. Orange Claw Hammer - 3:34
2. Wild Life - 3:09
3. She's Too Much for My Mirror - 1:40
4. Hobo Chang Ba - 2:02
5. The Blimp (mousetrapreplica) - 2:04
6. Steal Softly thru Snow - 2:18
7. Old Fart at Play - 1:51
8. Veteran's Day Poppy - 4:31
[ Personnel ]
(Musicians)
Captain Beefheart (Don Van Vliet) - lead and backing vocals, spoken word, tenor saxophone, soprano saxophone, bass clarinet, musette, simran horn, hunting horn, jingle bells, producer (uncredited), engineer (uncredited)
(The Magic Band)
Drumbo (John French) - drums, percussion, engineer (uncredited on the original release)
Antennae Jimmy Semens (Jeff Cotton) - guitar, "steel appendage guitar" (slide guitar using a metal slide), lead vocals on "Pena" and "The Blimp", "flesh horn" (vocal with hand cupped over mouth) on "Ella Guru", speaking voice on "Old Fart at Play"
Zoot Horn Rollo (Bill Harkleroad) - guitar, "glass finger guitar" (slide guitar using a glass slide), flute on "Hobo Chang Ba"
Rockette Morton (Mark Boston) - bass guitar, narration on "Dachau Blues" and "Fallin' Ditch"
The Mascara Snake (Victor Hayden) - bass clarinet, backing vocals on "Ella Guru", speaking voice on "Pena"
(Additional personnel)
Doug Moon - acoustic guitar on "China Pig"
Gary "Magic" Marker - bass guitar on "Moonlight on Vermont" and "Veteran's Day Poppy" (uncredited)
Roy Estrada - bass guitar on "The Blimp" (uncredited)
Arthur Tripp III - drums and percussion on "The Blimp" (uncredited)
Don Preston - piano on "The Blimp" (uncredited)
Ian Underwood and Bunk Gardner - alto and tenor saxophones on "The Blimp" (uncredited/inaudible)
Buzz Gardner - trumpet on "The Blimp" (uncredited/inaudible)
Frank Zappa - speaking voice on "Pena" and "The Blimp" (uncredited); engineer (uncredited); producer
(Original Straight/Reprise "Trout Mask Replica" LP Liner Cover)

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 今回は丸々日本語版ウィキペディアからの引用にさせていただく。アーティスト「キャプテン・ビーフハート」、アルバム『トラウト・マスク・レプリカ』の両項目からになるが、どちらも英語版ウィキペディアの概要部分の抄訳で、原文は印刷すれば小冊子ほどにもなる詳細な解説が掲載されている。より詳しくキャプテン・ビーフハートについて知りたい場合は英語版ウィキペディアにしくはないが、おおまかに概略を確認するにはあまりトリヴィアにとらわれない方が良い場合もある。ビーフハートのようにあまりに両極端な知名度、つまり知らない人はまったく知らない、知っている人は年季の長いアーティストについては、辞典の項目ではどう扱われているかを参照してみるのも順当なご紹介になると思われる。
ロックのアルバム・オープニング曲でこの作品の「Flownland」1分41秒の衝撃に匹敵するものは即座に思いつかないが、キャプテン・ビーフハートとは存在そのものが衝撃だった点では空前絶後で唯一無二のアーティストであり、日本語版ウィキペディアの記述はその衝撃性をとらえ損ねている。言語化できない圧倒的な訳のわからなさがビーフハートの音楽にはあり、それはジャンル分類による形容や影響関係とはまったく無縁に創造されたものだったからこれほど位置づけが難しい人は滅多にいない。盟友フランク・ザッパが正統的な意味での音楽家として最高峰の人だったのとは対照的に、ビーフハートは一種の突然変異であって、その芸は一代限りの人だった。しかもこの人は天才の自覚はあるが、客観的に自分の天才をコントロールされることが我慢できない人でもあり、狡猾で計算高い面と常識のすっぽり抜け落ちた面の同居した人だった。その天然の素質によって、前衛的で実験的な音楽には珍しいことだが、ビーフハートの音楽は徹底的に真剣でありながら企らまざるユーモアが横溢することになった。ビーフハートの衝撃とは爆発的に破壊的なユーモアを核心とした点で、他の多くの重要アーティストがシリアスさを尺度とされるのとは異なるスケールの大きさを備えている。
以下は日本語版ウィキペディアから引用して、ビーフハートについてはまた別のアルバムをご紹介する際に解説したい。
(Original Straight/Reprise "Trout Mask Replica" LP Gatefold Inner Cover)

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キャプテン・ビーフハート
キャプテン・ビーフハート(Captain Beefheart、1941年1月15日 - 2010年12月17日)は、アメリカ合衆国のソングライター、シンガー、ミュージシャン、アーティスト、詩人、作曲家、プロデューサー、映画監督、画家。 本名・ドン・ヴァン・ヴリート(Don Van Vliet)(ドン・グレン・ヴリートという通称もある)。
1960年代後半のアメリカ西海岸におけるサイケデリック・ミュージック・シーンにおける最重要バンドのひとつ、「キャプテン・ビーフハート・アンド・ヒズ・マジック・バンド」のヴォーカル・リーダーとして著名。

〈概要〉
1941年1月15日、アメリカ合衆国カリフォルニア州グレンデールで生まれた。幼少期より才能を発揮し、メディアに作品が取り上げられたこともあったという。フランク・ザッパとは転居先の高校で知り合って意気投合した。互いのR&Bのレコードを聴かせ合ったり、低予算映画の制作を共に行うなど、親交を深める。キャプテン・ビーフハートというステージネームも、フランク・ザッパによる発案であった。
1967年に『Safe as Milk』でアルバムデビューし、ハウリン・ウルフなどの影響下にある強烈な濁声を持ったブルーズ・シンガーとして頭角を現した。1968年にセカンドアルバム『Strictly Personal』を発表。ブルージーな前作とは対照的に、サイケデリックサウンドアレンジが施されているが、これは当時のマネージャーであるボブ・クラスナウの仕業であり、最終ミックスやリリースはビーフハート側に無断で行われている。
前作のゴタゴタから逃れるようにレーベルを移籍したビーフハートはバンドのメンバーを一新し、自律的な作曲を行い、レパートリーのリハーサルに明け暮れた。フランク・ザッパの設立したストレイト・レーベルより発表された1969年の『トラウト・マスク・レプリカ』は、ブルーズを基本としつつフリー・ジャズ民族音楽ポリリズム、現代音楽の不協和音などの要素をふんだんに盛り込んだ問題作であり、当時の音楽シーンに衝撃を与えた。1970年代のパンク、ポストパンク/ニュー・ウェイヴにも大きな影響を与えた。その親交からザッパとの関連を語られることが多いが、実際の音楽的な指向は別のものである。
1982年以後は音楽界から退き、絵画の世界で活動した。
2010年12月17日、多発性硬化症とそれに伴う合併症により、アメリカ合衆国カリフォルニア州アルカータの病院で死去。69歳没。

〈アルバム〉
1. Safe as Milk(1967)
2. Strictly Personal(1968)
3. Trout Mask Replica(トラウト・マスク・レプリカ/1969)
4. Lick My Decals Off, Baby(1970)
5. Mirror Man(1971)
6. The Spotlight Kid(1972)
7. Clear Spot(1973)
8. Unconditionally Guaranteed(1974)
9. Bluejeans & Moonbeams(1974)
10. Shiny Beast (Bat Chain Puller)(1978)
11. Doc at the Radar Station(1980)
12. Ice Cream for Crow(1982)
(日本語版ウィキペディアより、「キャプテン・ビーフハート」)
(Original Straight/Reprise "Trout Mask Replica" LP Side1 Label)

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トラウト・マスク・レプリカ
トラウト・マスク・レプリカ(Trout Mask Replica)は、1969年にリリースされたキャプテン・ビーフハート・アンド・ヒズ・マジック・バンドの3枚目のアルバムである。プロデュースはビーフハートの高校時代の同級生であり、友人のフランク・ザッパが担当した。ブルースや実験音楽フリー・ジャズ等、様々なジャンルの音楽を取り入れた本作は、後のオルタナティブ・ロックやポスト・パンクに多大な影響を与えた重要な作品として認知されている。本作についてBBCの伝説的DJであるジョン・ピールは、「ポップ・ミュージックの歴史において、音楽以外の領域で活動する芸術家たちにも理解し得る、芸術作品として見なすことが出来る音楽作品が存在するとしたら、おそらく『トラウト・マスク・レプリカ』がそのような作品である」と述べている。2003年にはローリングストーン誌の500 Greatest Albums of All Timeの第58位、2012年版には第60位に選出された。
(Original Straight/Reprise "Trout Mask Replica" LP Side2 Label)

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トラウト・マスク・レプリカ
キャプテン・ビーフハート・アンド・ヒズ・マジック・バンド の スタジオ・アルバム。
〈リリース〉
1969年6月16日
〈録音〉
1968年8月、1969年3月
ロサンゼルスカリフォルニア州、サンセット・サウンド・レコーダーズ、ホイットニー・スタジオ
〈ジャンル〉
アヴァンギャルド、アート・ロック、ブルースロック、プロト・パンク、サイケデリック・ロック実験音楽フリー・ジャズ、スポークン・ワード
〈時間 78分51秒〉
〈レーベル〉
ストレイト・レコード、リプライズ・レコード
〈プロデュース〉
フランク・ザッパ
〈専門評論家によるレビュー〉
Allmusic? ★★★★★
Rolling Stone? ★★★★★
〈チャート最高順位〉
21位(イギリス)
キャプテン・ビーフハート・アンド・ヒズ・マジック・バンド年表〉
『ストリクトリー・パーソナル』(1968年)
トラウト・マスク・レプリカ』(1969年)
『リック・マイ・デカルズ・オフ、ベイビー』(1970年)

〈背景〉
キャプテン・ビーフハートとマジック・バンドはデビュー当初からレーベルとの契約に頭を悩ませてきた。A&Mがファーストシングル(ボ・ディドリーのカバー曲"Diddy Wah Diddy")をリリースしたが、最初のシングル2枚がヒットしなかったことによりすぐに契約を打ち切られてしまう。その後ブッダ・レコードがバンドにとって、またブッダにとっても最初のアルバムであった『セーフ・アズ・ミルク』(Safe As Milk)をリリースするが、直後にブッダ・レコードはビーフハートとマジックバンドには縁もゆかりも無いバブルガム・ポップ路線を志向し、またもやバンドは所属先を失ってしまう。バンドは1967年の終わりから1968年の春にかけて、後に『ストリクトリー・パーソナル』(Strictly Personal)、『ミラーマン』(Mirror Man)として発売されるレコーディングセッションを何度か行ったが、当時の契約問題によりセッションで録音した音源が発売されるかどうかすら分からない状況であった。 同じ頃、ビーフハートの高校時代の同級生であるフランク・ザッパはビザール・レコード、ストレイト・レコードという自身による2つのレーベルを設立した。契約問題に苦しんでいたキャプテン・ビーフハート(ザッパが与えた名前である)に対し、ザッパは完全なる芸術的自由の中で制作を行うことを提案した。その結果として『トラウト・マスク・レプリカ』が完成した。

マジックバンドは8ヶ月に渡る、ビーフハートによって作られた難曲のためのリハーサルを1日12時間行いながら、集団でロサンゼルス郊外にあるウッドランド・ヒルの小さなレントハウスで暮らしていた。ビーフハートはメンバーの完全なる芸術的・感情的支配を行うことで彼の構想を実行した。フレンチは当時の状況を「カルトじみていた」と回想し、レントハウスを訪問した友人は「まさにマンソン・ファミリーのような環境だった」と形容した。また、バンドメンバーは金銭や食料といった物質的環境においても切迫していた。生活保護金と親類からの仕送り以外にバンドの収入はなく、フレンチによればカップ一杯の大豆だけでひと月を過ごしたこともあったという。あまりの苛酷さに、バンドメンバーが食品の万引きで逮捕されたこともあった(ザッパが釈放した)。
(Original Straight/Reprise "Trout Mask Replica" LP Side3 Label)

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〈制作〉
ビーフハートはほとんどの楽曲を今までに試みたことのない方法で作曲した。演奏経験のないピアノを作曲に使用したのである。ピアノの経験がなく、従来の音楽知識をまったく持ち合わせていなかったため、既存の音楽の枠組みや構造から逸脱した形で作曲を行うことが出来た。直感だけを頼りに、気に入ったリズムパターン、メロディのパターンを発見するまでピアノの前に座った。作曲のためのピアノが導入される以前は、ビーフハートが口笛で吹いたり歌ったりするフレーズをジョン・フレンチがテープレコーダーで録音していたが、手違いである部分を消去してしまいビーフハートに叱られたのを契機に、フレンチはビーフハートがピアノで叩き出すフレーズをすべて記譜し、改めてビーフハートに演奏して聞かせるようになった。大半の楽曲がこのような作曲・記譜の方法で作られた一方で、"Pena"や"My Human Gets Me Blue"のような楽曲はビーフハートによる口笛で提示された。また、記譜を担当していたフレンチがそれぞれのメンバーのパート譜を書き、演奏の指導を行った。ビーフハートは『トラウト・マスク・レプリカ』の作・編曲は全て独力で完成させたと主張してきたが、フレンチは「自分も編曲者としてクレジットされるべきではないかと感じていたが、一度もされたことはなかった」と述べている。

"Moonlight on Vermont"と"Veteran's Day Poppy"は、残りの楽曲が録音された約7ヶ月前にあたる1968年8月のサンセット・サウンド・レコーダーズでフランク・ザッパによるプロデュースの元、録音が行われた。その後、ベースのゲイリー・"マジック"・マーカーがマジック・バンドを脱退し代わりにマーク・ボストンが加入した。翌年の1969年3月に、バンドは『トラウト・マスク・レプリカ』のレコーディングに入る準備を整えた。ザッパは当初、エンジニアのディック・カンクを伴ってメンバーが住むレントハウスにポータブルの録音機材を持ち込み、別々の部屋でバンドの演奏を録音するフィールド・レコーディングの形を取るつもりだった。実際に行われた録音自体は素晴らしい仕上がりでザッパは満足したが、ビーフハートはザッパが録音費用を出し惜みしているのではないかという疑惑を持つようになり、スタジオを使用して録音することを主張した。ヴォーカルのスタジオ録りは当初から決まっており、ザッパはバンドのスタジオ入りの段取りを整えた。収録は当時宗教音楽のみを録音していたホイットニー・スタジオで行われた。日頃からリハーサルを重ねていたマジック・バンドの面々は、20のバッキングトラックの録音をたったの6時間で終え、その後ビーフハートはヘッドホンを着用してモニタリングする代わりに、スタジオの窓から微かに聴こえる演奏音のみを頼りに、ヴォーカルトラックと管楽器のオーバーダブを2日で録音した。ミキシング作業を含めても『トラウト・マスク・レプリカ』は4日間で完成した。
アルバムジャケットの撮影とデザインはカル・シェンケルが担当し、シェンケルが地元の魚屋で購入した鯉の頭をマスクに改造してビーフハートに被せた。
(Original Straight/Reprise "Trout Mask Replica" LP Side4 Label)

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〈収録曲〉
作詞・作曲はいずれもドン・ヴァン・ヴリート(キャプテン・ビーフハート)による。
(曲目略)

〈参加メンバー〉
(ザ・マジック・バンド)
キャプテン・ビーフハート(ドン・ヴァン・ヴリート) - ヴォーカル、バッキング・ヴォーカル、スポークン・ワード、テナー・サックス、ソプラノ・サックス、ベース・クラリネット
アンテナ・ジミー・ザーメンズ(ジェフ・コットン) - ギター、スライド・ギター、ヴォーカル("Pena"、"The Blimp")
ズート・ホーン・ロロ(ビル・ハークルロード) - ギター、スライド・ギター、フルート("Hobo Chang Ba")
ロケット・モートン(マーク・ボストン) - ベース・ギター、ナレーション("Dachau Blues"、"Fallin' Ditch")
ドランボ(ジョン・フレンチ) - ドラム、パーカッション
マスカラ・スネイク(ビクター・ヘイデン) - ベース・クラリネット、バッキング・ヴォーカル("Ella Guru")
(その他)
ダグ・ムーン - アコースティック・ギター("Ella Guru")
ゲイリー・"マジック"・マーカー - ベース("Moonlight on Vermont"、"Veteran's Day Poppy")クレジットなし
(制作)
フランク・ザッパ - プロデューサー
カル・シェンケル - アルバムデザイン、撮影
エド・カラエフ - 撮影

〈参考文献〉
マイク・バーンズ (2006)『キャプテン・ビーフハート河出書房新社.
(日本語版ウィキペディアより、『トラウト・マスク・レプリカ』)
(Original Straight/Reprise "Trout Mask Replica" LP Inner Lyric Sheets)

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