人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

アニメ『花物語』一挙放映感想文(;^_^A

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西尾維新原作『花物語は学園青春ホラーの人気作品「物語」シリーズ第二期の内の一編で、第二期全六作のアニメ化もこの作品で完結しました。これまでシリーズは30分の深夜帯で放映されてきましたが、『花物語は全五話を8月16日土曜日ゴールデン枠19:00~21:00に一挙放映されることでも話題性が高く、筆者も放映前日にプリキュア(;^_^Aの再放送を観ていて偶然知りました。

「物語」シリーズや、また『花物語については昨日簡単な導入部までのあらすじと設定を紹介しました。ヒロイン神原駿河は亡き母から託された猿の左腕のミイラの呪物で願い事を三つ叶えることができますが、二つまで願い事を叶えた代償に左腕が怪物化しており、この呪いとの関連で訪ねた悪魔様の噂の主は中学時代のバスケのライバル沼地蝋花でした。亡き母の真意は、そして蝋花の思惑とは…というのがこの作品です。
公式サイトからの放映直前予告映像を紹介します。
[公式サイト花物語PV]
http://m.youtube.com/watch?v=hNOgmmRe9V4

さて、柄にもない(;^_^A顔文字絵文字を無理して使いながら本題の感想文に入りますが、この作品は過去の呪縛(母から)を過去の亡霊(バスケのライバル)との対決によって乗り越えるという少女の成長物語です(高三を少女と呼べれば)。ここでは亡き母からの呪縛を具体化したものが肉体的な変異となっており、ヒロインにとっては忌まわしいものがかつてのライバルには現在肉体の維持のために必要になっている。そういう事情が徐々にわかってきます。
単品として鑑賞に堪えますが、ヒロインの独白や断片的な映像からシリーズでこれまでに起った出来事を読み取らなければならず、最初はやや取っ付きにくいでしょう。

ボードレールが晩年に発表前提で『内面の日記』という手記を書いており、「私の母は変った人だった」という有名な一節(笑)がありました。父親憎悪と同じくらい母親嫌悪はありふれた感情ですが性質はまったく異なり、母親嫌悪はむしろ子の自意識の問題であることが多いのです。そうした主題を『花物語は学園青春ホラーの体裁でうまくこなしたアニメになっておりました(^.^)b。