人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

ジャケ買いの3 枚

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本日はやる気がないので露骨に埋め草で責をふさがせていただく。
それで趣旨はタイトル通りで、図版で一目瞭然でございます。ぼくは携帯1本でブログやってるので切手大にしか見ることができないが、パソコンのかたはいかがでしょうか?上から、

キャプテン・ビーフハート&ヒズ・マジック・バンド「トラウト・マスク・レプリカ」'Trout Mask Replica'1969(米)
ロバート・ワイアット「ロック・ボトム」'Rock Bottom'1974(英)
●ヤクラ「サバトの宴」'Tardo Pede In Magiam Versus'1975(伊)

以上この3枚素晴らしいところは、ジャケット・アート通りの音が出てくるところだ。「トラウト・マスク・レプリカ」は人間業とは思えない変則拍子と不協和音を強靭なヴォーカルが貫く実験ロックの金字塔。「ロック・ボトム」は転落事故で下半身不随になったワイアット(元ソフト・マシーン)がヴォーカリストに転向して歌う天上の仙人的アルバム。
この2枚はネット通販のユーザー・レビューを見れば独断でないのがわかる。ロックの裏通りでは究極vs至高というか★★★★★の評価は揺るぎなく、時代とともに古びる要素がほとんどないため新しいリスナーもつかんでいる。ワイアットは今も現役、ビーフハートは30年前に40歳で引退して、モハービ砂漠の自宅アトリエで画家に転業した。
問題は後の1枚ですね。これが20年前にCD再発されるまではイタリアン・ロック最後で最大の謎、たぶん数百枚のプレス枚数しかなく日本には数枚しか輸入されておらず、中古レコードのオークション・リストでしか存在を確認されていず、もちろん音を聴いた人は誰もおらず、「ヤクラ(Jacla)のタルド・ペーデ、1975年」というのは数十万円のオークション価格とともにまぼろし中のまぼろしだった。
だから20年前、ついにイタリア本国と日本のインディ・レーベルがリーダーの所在をつきとめ、片田舎のお化け屋敷にまで出向いて正式なライセンス契約を取り付けCD再発した時には誰もが腰を抜かした。「ヤクラの音楽は完全に私のオリジナルなブラック・マジックによるものだ」と以後も各種の手段でブラック・マジックを創造しているリーダーは言ったそうだ。内容は?ブーイングの嵐だった。しかも今年は新作&来日!いいのか?