ザ・チョコレート・ウォッチ・バンドはそのシンボル的バンドだった。65年にサン・ホセの学生バンドとしてブリティッシュ・ビート・グループのコピーから出発。ベスト・メンバーが揃ってサン・フランシスコに進出し、ファースト・アルバムが制作されたが、メンバーの演奏は4曲しかなく、残りはマネジャーの指示でスタジオ・ミュージシャンが「アメリカのピンク・フロイド」風に演奏したものだった。
続くセカンド・アルバムも同様に制作され、リーダーでヴォーカリストのデイヴ・アギラーが脱退する。ようやくサード・アルバムでバンド自身の演奏が録音されるが、バンド当初のワイルドな作風からは変化したものだった。
掲載アルバムは、
●'No Way Out'1967
●'Inner Mystique'1968+'One Step Beyond'1969
●'The Complete Recordings!:Melt In Your Brain...Not On Your Wrist!'2005
2005年の全集はCD2枚組にアルバム3作全曲、シングル曲、未発表曲を44曲も詰め込んだ徳用盤で、さすがに一気に聴くと飽きるが、カヴァー曲や未発表曲の出来の良さに感心する。バンドは今世紀に入って再結成し活動再開(これもプルーンズ同様)、生ける伝説として散発的にライヴを行っていた(残念ながら今年、ベーシストが死去している)。R.I.P.