人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

『ミスター・タンブリン・マン』

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今回はボブ・ディラン(1941-)の最もポピュラーな曲を。原題'Mr.Tambourine Man'、アルバム「ブリンギング・イット・オール・バック・ホーム」1965収録(上)。同年ザ・バーズによりデビュー&全米No.1ヒット(下)。

『ミスター・タンブリン・マン』

ヘイ!ミスター・タンブリン・マン、1曲頼むよ
眠くもないし行く場所もないんだ
ヘイ!ミスター・タンブリン・マン、1曲頼むよ
朝がざわざわしたらあんたについていくよ

夕暮れの帝国は砂に戻り
ぼくの掌から消えて
盲目のようにぼくを立ち尽くさせたがまだ眠くない
疲れがぼくを驚かせ、足かせされたようだ
ぼくは誰とも会わない
そして古代の空っぽの街は夢見るには死んでいる

ヘイ!ミスター・タンブリン・マン…

あんたの魔法で目眩く船でぼくを旅立たせてくれ
ぼくの感覚は剥き出しになり、手は握る感触もない
爪先も痺れて踏み出せず、ただブーツの踵だけが
さまよいはじめるのを待っているだけ
ぼくはどこにでも行ける、いつだって消える
ぼくのパレードにあんたが踊りの呪文をかけたら
ぼくは従うと誓うよ

ヘイ!ミスター・タンブリン・マン…

もし狂った笑い声が回って揺れる太陽を横切るのが聴こえるとしても
誰もいない、ただ去って行くだけ
だけど空にはさえぎる柵もなく
もし言葉のさざめきが聴こえてくるなら
あんたのタンブリンにつられて、後ろで道化師がふざけているだけさ
ぼくは気にしない、あんたに見えるのはただの
追ってくる影なんだから

ヘイ!ミスター・タンブリン・マン…

そしてぼくの心の煙の輪からぼくを消し去ってくれ
霧のような時間の廃墟を下り、凍った木の葉を過ぎて遠く
呪われ、脅かされた林から風の吹く浜辺へ
狂った悲しみのねじまがった領域から離れて
そう、ダイアモンドの空の下で自由に片手を振りながら踊ろう
海を背景に、サーカスの砂場に囲まれ
すべての記憶も運命も波間に深く沈めて
今日のことは明日まで忘れさせてくれ

ヘイ!ミスター・タンブリン・マン、1曲頼むよ
眠くもないし行く場所もないんだ
ヘイ!ミスター・タンブリン・マン、1曲頼むよ
朝がざわざわしたらあんたについていくよ
(前記アルバムより)