人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

定番イタリアン!

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ジョン・レノン全アルバム」が難航しているので、穴埋め記事をだらだら書こうと思います。掲載したジャケットをご覧ください。どれも70年代初期のイタリアン・ロックの名作と言われるもので、筆者もイタリアものを聴き始めた最初の10枚の中にこの3枚が入っていました。

(上)P.F.M.(プレミアータ・フォルネリア・マルコーニ)「友よ」
(中)ニュー・トロルス「UT」
(下)レ・オルメ「包帯の男」

これらは有名バンドの代表作とのことで音楽雑誌の記事や広告(どれも日本盤が出ている)で知りましたが、やっぱりレコード(今はCDですが)みたいに趣味で買うものは、内容ありきではあっても見かけで全然変ってくる。実際にお店で手に取って、人並みの幸福は諦め、人生を踏み外す覚悟をしてでも「欲しい!」と思わせるのがジャケットの魔力です。
レコード・ジャケットのデザインは縮小や白黒で広告やレコード紹介に載った時にもはっきりしたインパクトを求められます。高名なジャケットというのはその辺もクリアしている。何でもないようなことですが、純粋芸術よりも商業美術の方が難しい、ということがあるのです。
当然魅力的なジャケットのほうが購買欲をそそるばかりでなく、愛着がわいて飾ってみたりもします。プレミアータのアルバムなんかジャケットの中に窓が描かれていて青空が広がり清々しい。日本の青空ではなく地中海につづく青空。レーベルは大手のヌメロ・ウーノ(No.1という意味)、ジャケットの紙質は薄手だが上質感があり、発色が鮮やか。あ、LP時代の輸入盤の話ですよ。
発色といえば(中)は国旗の色をモチーフにしたデザインだけど、日本盤と本国盤ではまるで色味が違いました。レーベルはフォニト・チェトラで、イタリア国営放送局のレコード部門とのこと。紙はかなり厚手の堅牢な品質感で、フォニト・チェトラのアーティストは音もそういう感じ。前述のヌメロ・ウーノのアーティストは繊細、とレーベル・カラーがあるのです。
まさしく(下)もそうで、現在ではユニヴァーサル・グループに統合されたけどヨーロッパのシェアは旧共産圏まで及んだ最大手、フィリップス・レコードからのアルバム。このオルメというバンド、線も細いし大味で、一流という評価もギリギリですが、それでもイタリアならではの味があります。ジャケットは好みが分かれるかな(笑)?