人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

2014-07-06から1日間の記事一覧

(再録)大手拓次『春の日の女のゆび』1927

身のこなしも女性的で、生涯独身・童貞だったというこの詩人(1887-1934・群馬県生れ)。「幻視とフェティシズムの詩人」と簡略に紹介してもいいが、幻視もフェティシズムもともに定義の難しい性質だ。空想・エロティシズムとは重なりつつ異なる。覗き趣味、小…

(再録)大手拓次の初期詩編

大手拓次(1887-1934)も山村暮鳥(1884-1924)同様専門的な研究が行われているが、郷土詩人・自然詩人の風貌もある暮鳥は各地に詩碑が建立されるほど今日では愛され、あの「いちめんのなのはな」詩碑さえある。それにひきかえグロテスクでエロチックな表現が続…

(再録)大手拓次『そよぐ幻影』1933 ほか

萩原朔太郎は同世代のライヴァルから影響を受けるのが実に巧みで、「月に吠える」では室生犀星・山村暮鳥、「青猫」では大手拓次(1887-1934・群馬県生れ)の顕著な影響が見られる。犀星は大成したが、暮鳥・拓次の知名度はぐっと落ちる。その一因には生前の評…