人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

メンタル日記(11月16日金曜)

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まずイタリアの70年代バンド、レ・オルメのCDを引っ張り出す。11枚、これが持っている全部になる(画像1)。これを聴きながら記事を書こう。
それから真ん前の団地の門にぽつん、と置かれたおもちゃを写真に撮ってくる(画像2)。ぼくはこんな風に置き去りにされたおもちゃには弱い。

ことさらメンタル事情などと言わなくてもぼくの作文には躁鬱病ならではの発想と文体がはっきり見えると思う。躁鬱まで行かなくてもクレペリンの性格分類では循環気質(クレペリンの「循環気質」「分裂気質」というのが後の精神医学の双極性障害統合失調症候群という大別の下地になっている)は比較的判定しやすい。これは一種の消去法で鬱病ではほとんどメモくらいしか書けず、統合失調症の慢性状態では統語法の失調をきたす。
それは重度の躁状態でも同じなので、平常時の躁鬱文体とはどんなものか、と例を上げれば新約聖書パウロ書簡、ゲーテの諸作、ゴッホ書簡集、ヴァージニア・ウルフ夏目漱石坂口安吾三島由紀夫らの諸作、ということになる。病跡学(パトグラフィ)ではジョン・レノンとアルコール依存性時代のエリック・クラプトン(アルコール依存は躁鬱病に大きく関係する)に可能性が濃い。ピークの時にはまるで独善的だが、上昇期と下降期のタイミングではバランスのとれた優れた創作活動をすることがあるのも双極性障害、または循環気質の創作家の特徴になっている(だが当然躁鬱病=創作家の素質ではない)。

いつの間にかお勉強記事になってしまったが、たまにこのブログにこういう質問が寄せられるからだ。「自分の知り合いに迷惑な人がいるが精神病だと思う(または、通院している)。これはどういう精神病なのか?」
一応文面から可能性のありそうな症状をいくつか上げて返答するが、非常に嫌な気分になる。家族ならまだしも(まず医者に行くべきだが)他人の精神疾患を忖度しようというのが浅ましい。それにぼくは医師ではない。専門の精神科医でもよほど顕著な症状でなければ診断名は特定できず、一般的な精神安定剤を処方しながら診察ごとに進展を探っていく(ぼくも病名が確定するまで1年半かかった)。それなのに感情的なバイアスがかかった証言だけから病名など推定できるわけがない。
嫌な人間関係なら精神疾患など関わりなく起こりうる。当然のことだろう。