人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

(48a)レッド・ガーランド(p)

イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

Red Garland(1923-1984,piano)。
 この「モダン・ジャズの巨人」もこれで148回目になった。最初の25人はガイドブックの人選で、こんなに長く続けるつもりはなかったからダイジェスト的にプロフィールと代表作を紹介していた。ほとんど全作品紹介になったのは追加したジャズマンからで、25人から落選ならばここでしっかりフォローしようと思ったのだ。
 そこで今回から14回はレッド・ガーランドをご紹介する。どこの誰かは知らないけれど誰もがみんな聴いている、その点ではガーランドに勝る存在はいない。

 というのは、ガーランドは公式なデビュー録音の(その前にローカル・バンドのシングル1曲があるが)、
Miles Davis'The Musings Of Miles'55.6.7(画像2)
 -から62年末の引退までほとんどをホーン奏者のサイドマンとして活動し、しかもその大半はメジャー・デビュー前後のマイルス・デイヴィス、初期のジョン・コルトレーンの専属に起用され、知名度から多くの自己名義のアルバムも制作したがどれも似たり寄ったりで結局「伴奏ピアニストなんだな」という評価が定着してしまった。幸運なのか悲運なのかわからないジャズマンなのだ。
 ガーランド在籍時のマイルス作品8枚はすべて名盤と名高いが(コルトレーン作品11枚は後になるにつけコルトレーンの急進性とガーランドの保守性の齟齬が目立つ)、ガーランドへの評価は「マイルスの歴代ピアニスト中では…」ということになっている。

 テキサス生れで40年代に東部に進出したガーランドの初期の活動は、80年代に発掘されたラジオ中継からのライヴ盤、
Charlie Parker'At Storyville'53.3.10or9.22?(画像1)
 -で聴ける。ドラムスのロイ・ヘインズ以外は巡業先の臨時雇いだが、晩年ながらパーカーの調子も良く(ただしストック・フレーズ連発)、ガーランドもアルバイトをそつなくこなしている。

「ミュージングス~」でパーカーの一番弟子マイルスに認められたガーランドは、半年後に鳴り物入りで新バンドの正式メンバーになる。
Miles Davis'The New Miles Davis Quintet'55.11.16(画像3)
 -がその第1作。今回のマイルス作品2作は次回で解説する。