人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

(48f)レッド・ガーランド(p)

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Red Garland(1923-1984,piano)。
もうお気づきの通りレッド・ガーランドの項目を立てたのはガーランドをダシにしてモダン・ジャズ全盛時代の名作の数々を一網打尽に紹介できるからで、マイルス・クインテットのピアニストの座というのはそれほどいい仕事が降って湧いた。
ガーランドは元ボクサーで桜木花道のように髪を赤く染めており(芸名の由来)、そこもマイルスに気に入られた。「歩く歌本」と呼ばれたくらいレパートリーも多く器用な人だった。だがその真価はクリエイティヴなリーダーのサイドマンとして発揮され、自身の作品では平凡ないちピアニストだった。
-と言われる。それが本当なら、それほどのギャップはどこから生じたのだろうか?

また、ガーランドは月産ペースでアルバム制作させられていたから録音と発表が必ずしも平行しない。
The P.C.Blues(画像1)56.5.11/57.3.22,8.9
-はポール・チェンバース追悼盤(69年1月逝去)としてガーランド引退中の70年に発売された。内容はマイルスの「ワーキン」からピアノ・トリオだけの'Armad's Blues'を再録し、「レッド・ガーランズ・ピアノ」の57年3月録音の残りを1曲、「グルーヴィー」の同年8月録音の残りを3曲という拾遺アルバムで、とはいえ'Lost April','Why Was I Born?'などなかなかの内容。残り物には福があった。

Curtis Fuller'With Red Garland'57.5.14(画像2)
-は当時22歳の俊英トロンボーン奏者の第2作で、なんと第1作の3日後という異例のデビュー。パーカー派アルトサックスのソニー・レッドとの2管で、溌剌としたハード・バップを聴かせる。'Stormy Weather'がいい。アルバム名に名前が使われた通り、ガーランドは品質保証マークのようなものだった。

次の、
Red Garland's Revisited!(画像3)57.5.14
-は不思議なタイトルで、新作発売の間が開いたのだろうか?内容はマイルスゆかりの曲が目立つ。名手ケニー・バレルの参加が嬉しいが2曲だけとは悲しい。聞き物はガーランド入団前のマイルスの代表的レパートリー'Walkin''だろう。この曲にはバレルも入っている。