人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

(48g)レッド・ガーランド(p)

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Red Garland(1923-1984,piano)。
ここから6回は怒涛のコルトレーン作品ラッシュになる。ジョン・コルトレーン(テナーサックス)はプレスティッジに57年4月~58年12月の20か月でリーダー作(連名作含む)を19枚残したが(さらにサイドマン参加作8枚)そのうち13枚にガーランド参加。コルトレーン参加のガーランド作品も3枚ある。マイルスとの7枚も含めるとコルトレーンとガーランドの共演は55年末~58年末で22枚におよぶ。

コルトレーンの実質的リーダー第1作は、
John Coltrane'Coltrane'57.5.31(画像1)
-で(その前に連名作が3作ある)実は全6曲を3曲ずつマル・ウォルドロンとガーランドが分けあった。タイプの違うピアニストを使い分ける意図があったのだろう。マル参加曲では'While My Lady Sleeps',ガーランド参加曲では'Violet For Furs'という名演が生れた。このアルバムではコルトレーンのオリジナルも多いが、プレスティッジは版権をピンハネするので以後はオリジナルは移籍後のため出し惜しみする。タイトルやジャケットからも意気込みが伝わる意欲的なデビュー作となった。

コルトレーンの次作は早くも問題作なので、先に、
Phil Woods'Sugan'57.7.19(画像3)
-に触れたい。ウッズは白人のパーカー派アルトサックス奏者で、後にはキャノンボールに匹敵する実力者となった。この初期作品ではまだフォロワーの域を脱せず、ジャケットでガーランドと連名にされたのもやむを得ない弱さがある(そこが魅力でもあるが)。内容はパーカー曲と自作を3曲ずつで、ハード・バップ時代にビ・バップにこだわる姿勢は好ましいが、ならばピアノはガーランドより他に適任がいただろうと思わせる。

コルトレーンの第2作、
John Coltrane'Lush Life'57.5.31/58.1.10(画像2)
-のうちガーランド参加はB面の'I Hear Rhapsody'とタイトル曲で57年5月分は前作「コルトレーン」の残り、58年1月分は後のアルバム2作に分割される。
だが聞き物はA面3曲(57年8月16日録音)で、ベースとドラムスのみのテナー・トリオなのだ。次回で解説する。