人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

(補16l)オーネット・コールマン

イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

Ornette Coleman(1930-,alto sax,trumpet,violin)。
前作「フレンズ・アンド・ネイバーズ」はオーネットのアトリエ(ロフト)録音、その前のインパルス盤2枚もライヴとなると、毎回新曲を演奏しているとはいえそろそろスタジオ盤の新作が聴きたくなる。この頃、大手コロンビアは一時的にジャズ部門を強化する企画を立てたようで、ミンガスとビル・エヴァンス、オーネットが同時に2枚契約を結んでいる。

コロンビア第1弾、
Science Fiction(画像1)71.9.9,10&13
-は基本はレッドマン入りカルテットだが、曲によってはドン・チェリー含むトランペット4人が交替で参加、女性ヴォーカル曲2曲と詩の朗読曲1曲、ドラムスもブラックウェルとヒギンズが交替または2ドラムスになるなど、さすが大メジャー・レーベルだけあって大規模な録音になった。女性ヴォーカル曲2曲はフリー・ジャズでありながらなごやかな傑作。他にも'Street Woman','Rock The The Clock','Low Years'など名曲佳曲目白押しで、発売と同時に高い評価を獲得したのもうなずける。オーネット入門としては「ジャズ来るべきもの」よりも格好かもしれない。40歳の円熟を感じさせるアルバムでもある。

10年前のジャズ商売はジャズ・クラブ出演の月間契約が基本だったが、60年代末にはロック界から、アルバム発表~アルバム売上げ促進ツアーという流れが定着していた。オーネットも71年秋からヨーロッパに「サイエンス・フィクション」ツアーに出る。メンバーは69年以来のカルテットと同じだから、聴く前から安心できちゃうぞ、みたいなところはある。

このツアーからは3枚のラジオ放送用音源が発売されている。毎回毎回ヨーロッパ公演のライヴばかりなのは、アメリカでは著作権が厳重なのにヨーロッパでは録音者に著作権があるからで、オーネットのライヴ盤も放送局がインディーズに横流ししたものだ。
最初の2枚、
The Belgrade Concert(画像2)71.11.2
Who Do You Work For?(画像3)71.11.5
-はほぼ同内容。解説は次回3枚まとめて。