今日は歯科に通院した。半年前は右下の奥歯、今回は右上の奥歯だ。毎月検診を受けてはいるが、ぼくの歯は全て磨耗した歯に義歯を被せてあるので(鬱病発症時から歯軋りで磨耗したらしい)、歯の本体と義歯の隙間、つまり内部から虫歯になり義歯を貫通した。右利きだからどうしても右の奥歯は歯磨きが行き届かないのだ。
いつものN先生が夏休みなので、この歯科唯一の女医の先生に義歯の取り外しと本体の歯の研磨までの処置をしてもらった。
そこそこ快適な治療が終ると、「雨が降りだしましたね」と先生。「ぼくはここから一分の所に住んでいるので大丈夫です」「あら」「本降りでも駅前スーパーか銀行で貸し傘がありますしね」
昨日のうちに買い物しといて良かったな、と思った。しかも昨日はいろいろなことがわかった。
ぼくの煙草の銘柄は30年来ゴールデンバットで、今は駅前のKくん(小中学校の同級生)の酒屋でも売っているが、昔は丘の上の煙草屋にしかなかった。その女主人が加賀まり子(画像)似の美人で、年の頃は若く見えるが40歳前後と思えた。ぼくは25歳で川崎市に転居し、7年前に離婚後座間市に戻り驚嘆した。まり子さんは30年前から全く変わっていなかった。美貌も年格好も、両方だ。
旧知のよしみでKくんの店で買うことが多かったが、昨日は丘の上のスーパーでも特売があり、煙草も美女の店で買うことにした。初めて雑談したのは、たぶん外が猛暑で店内が涼しかったからだと思う。「いつ見てもお若いですね」と言った。「30年前からこちらで買っていますが、まるでお変わりにならない」
「ああ、それは母ですよ」とまり子さんは笑い、「うちは三姉妹で、私は三女なんです。七歳と四歳ずつ歳は離れてるんですが、身長も体重も、服や靴のサイズも一緒なんです」
「そんなに似てらっしゃるんですか」
「お客さんにもよく言われますよ。さっきスーパーにいたのになんでお店にもいるの?って」
「…いつも買い物以外の会話をしないから、ずっと不思議でした。この人は時をかける少女なのだろうか、とか。ぼくは来年50歳になりますが」
「私も55歳ですよ」(見えない!)と、まり子さんは笑って、「私の代で終りかな」と言った。
そして帰宅後、父の逝去後初めて、保証人協会の緊急連絡先を頼みに継母に電話した。それは次回で。