人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

(補20e)アルバート・アイラー(ts)

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Albert Ayler(1936-1970,tenor sax)。
アイラーは、セシル・テイラーオーネット・コールマン同様サイドマン参加作が極端に少ない。ロリンズやコルトレーンですら「アイラーのように吹けたら」と嘆息したというが(実際アイラーの影響を感じさせるアルバムも残している)レコードでは共演していない(ライヴではコルトレーンとアイラーの共演があったらしい)。
アイラーの数少ないサイドマン参加は、ボックスセットにセシル・テイラー・ユニットへのラジオ放送音源と、ファロア・サンダースとの共演(アイラーは、コルトレーンとファロアと自分を聖書の三位一体、父と子と精霊の関係と考えていた)、そして、
Sonny Murrey:Sonny's Time Now(画像1)65.11
-くらいしかない。これは黒人作家リロイ・ジョーンズの肝いりで企画された自主制作盤で、最も重要なフリー・ジャズ・ドラマーのリーダー作として珍重すべきアルバムであり、ドン・チェリー(トランペット)、ヘンリー・グライムス&ルイス・ウォレル(ベース)と最高のメンバーが揃っている。ただし内容はドラムスを中心とした集団即興なのでよほどのフリー・ジャズ愛好家にしかお薦めしかねる。

At Slag's Saloon Vol.1,Vol.2(画像2)66.5.1
-はESPレーベルからの没後発表で、「ベルズ」からちょうど一年後の録音になる。前作のスタジオ盤「スピリッツ・リジョイス」に先だって、アイラーはチェロを加えたライヴを試している。この頃には弟ドナルド・アイラーのトランペット、マイケル・サンプソンのヴァイオリン、ルイス・ウォレルのベース、ロン・ジャクソンのドラムスが固定メンバーになっていた。だがバンド全体が緊密なアンサンブルになるのはまだ半年先の話で、このライヴ盤は正規盤なのに編集は雑だわ、曲目表記は出鱈目だわでお薦めしない。

Lorach,Paris 1966(画像3)66.11.13
-はラジオ放送音源で、ドラムスはビーヴァー・ハリス、ベースはビル・フォルウェルに替わる。そしてこの年末、アイラーはコルトレーンの招きで大手インパルス・レーベルに移籍し、メジャー・デビューを果たすのだった。