人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

通院日記・11月11日(月)曇り

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 先日の通院日記でご報告した通り、筆者は腰痛で痛み止めを服用しながら湿布を貼り、コルセットを着用することになった。痛み止めは薬剤師さんに、
「絶対に空腹時は避けて、食後に飲んでくださいね。一種類は胃腸薬です。痛み止めの薬は胃腸には劇物ですから」
 ―と強調されるとちょっと怖い。しかも口に含むとすぐに溶けだすとくる。

 コルセットもまあいいだろう。楽なのは確かだ。以前入院した時に、コルセットをした女性患者が、
「あの、お話があるんですが…他人に聞かれないところで…」
「なんでしょうか?」
 面会室が空いていたので二人きりになると、彼女はいきなり、
「…佐伯さん(筆者)のご両親は、腰の悪い女はお嫌いでしょうか?…」
「はあ?」
 (これは後に相談した時ナースステーションに爆笑の渦を呼んだ。本人をすっ飛ばしていきなり「ご両親(笑)」)
 それが入院一週間目で、退院するまでの三か月間はその女から逃げまわる毎日になった。彼女はトラブルメイカーで、他の女性患者としょっちゅう金切り声をあげて、蹴りあい髪の掴みあいの喧嘩をしていた。

この女性患者とは再入院の時も同じ閉鎖病棟になり、ヴェテラン看護婦でアメリカ白人系ハーフ美人(未婚で一児の母)のマリアさん(本名)から、
「佐伯さん、放置プレイですよ(笑)」
 ―と面白がられたものだった。閉鎖病棟だけあって患者の九割九分が二年以上から五年は普通、三十年以上の人も一割という重篤な慢性患者ばかりだったので、これはナースステーションでは唯一楽しい話題だったようだ。

 男性患者の相部屋までは彼女も入っては来られないから、なるべく部屋にこもって読書していたが、新聞や雑誌を取りに談話室に行ったり、喫煙室で一服してきたりすると、たいがい彼女が廊下をうろうろしている(同室者から嫌われているからだ)。「佐伯さ~ん」と寄ってくるのを適当にごまかして逃げてくる。誰か一人でも看護婦・介護師が目撃していると半日後には看護スタッフ全員がそのことを知っている。その病院には二回入院したが、二回ともそんな具合だった。今でも彼女はあの病院にいるだろう。ピンクのコルセットをして。

 面倒なのは湿布で、まず中央を剥がして脊柱の最下部に貼り、それから左右を剥がすのだが背中だから難しい。今日はメンタル通院してきたが、腰痛の話になってしまった。