人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

盲腸炎入院日記1

(この入院日記は入院病棟のメモ用紙に書かれ、つい最近まで本棚に紛れ込んでいた。無難な内容だしせっかくなので掲載します。)

天候=ずっと晴れ(たぶん)
2011年8月8日(月)
午後一時頃緊急搬送即入院~13日(土)まで点滴のみ(消炎・鎮痛剤、栄養点滴)、意識なし、昼夜安静で昏睡、意識が戻ると12日(金)の午後だったので驚く。昏睡自体は点滴による麻酔作用。その日の夕方には談話室まで点滴を引っ張って行動許可(尿意もあるため)。談話室のテレビは東京MX-TVが入らないので落胆。詳細部位不明の腸炎が発見されたための入院だが、切除せず鎮静剤で炎症を消炎治療、なので正確には盲腸付近?の腸炎入院になる。
予約先のかかりつけ医院に一通り電話するが、盆休みに入っていたり、まだ退院予定日がわからないので振り替えしようがない。常用薬は「おくすり手帳」を持参していたので、通院先に確認の上院内で処方される手配がされていた。常用薬の通院先には入院が伝わっている、ということだ。
13日(土)夕方に点滴外される。夕食から流動食。『バクマン。高校野球で休止、他に見たいテレビ番組もなく、まだ点滴の効果からか早く眠る。
14日(日)朝食三分刻みになる。ただしパン粥は味付けもなく脂浮きがしておいしくない。パン粥は外してもらう。談話室の書架から夏目漱石文鳥夢十夜』(新潮文庫・表題作他『永日小品』『思い出すことなど』)表題作以外の方が面白い。なぜか入院のたび漱石…。秋本治集英社ジャンプRemix・こち亀2000』(02年)三冊。夕食五分刻み。主食は全粥になる。
15日(月)全粥、七分刻み。原武史昭和天皇』(岩波新書08年)。入院期間は二週間と目安を告げられる。炎症が治ってから一週間入院静養ということ。つまりあと一週間。
16日(火)三分粥。H・G・ウェルズ宇宙戦争』(ハヤカワSF文庫05年)。原書1898年。リメイク映画公開による新訳か。手法はリアリズム小説なので異化効果がすごく新鮮。再読の機会があって良かった。九十九森・さとう輝江戸前の旬』〈覇王寿司編〉(日本文芸社2010)。病院・刑務所等いわば監禁施設に必ず料理マンガがある皮肉。
エルヴィス・プレスリー命日(77年)享年42歳、34周年になる。病棟の内線は洋楽ポップスの日、エルヴィス何度もかかる。
17日(水)五分粥、おかずは普通食に近くなる。談話室の掲示板から献立表を写してくる。
朝=食パン、マーマレード・ジャム、キャベツサラダ、コンソメスープ、フルーツ(桃)缶、牛乳
昼=五分粥、鮭の塩焼き、ブロッコリのおかか和え、みそしる
夕=五分粥、ほきの唐揚げチリソースかけ、いり豆腐、キャベツの和え物、みそしる
読書マンガのみ。青木雄三ナニワ金融道』文庫版第四巻(講談社92→99)これも入院の定番。
上山しげる『食キング・スペシャル/食一生編』(日本文芸社07)同社には料理マンガ専門誌でもあるのか?