人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

新☆戦場のミッフィーちゃんと仲間たち(8)

 やれやれだぜ、とジョータローは言いました。本当にここでいいのか、とアヴドゥル。適当でいいじゃろ、とジョースターさんがうなずくと、ヤッホー酒だぜ、とポルナレフ。それより食事でしょうポルナレフさん、と花京院が言うよりも早く、イギーはポルナレフの足もとから店の中に小走りに入り込んでいました。おいバカ犬ちょっと待て!とポルナレフが止めるのと、誇り高きイギーがポン、と蹴飛ばされるのはほぼ同時でした。
 ペットのお連れはお断りよ、とミッフィーちゃんは言いました。ええーっ、と気弱なアギーはぶるぶると震え、大胆なメラニーはフッと笑い、のん気なバーバラは目をぱちくりし、クールなウインは無表情でした。だがしかし、とアヴドゥルがいかぶるのをジョースターさんは制して、あっけにとられて転がっているイギーを抱き上げてポルナレフに渡すと、見かけに欺かれてはいかん、この自信は強力なスタンド使いかもしれんぞ、と小声でささやきました。花京院はジョータローを横目でちらりと見ましたが、ジョータローのスタープラチナが発動していないところを見ると、まだ臨戦態勢には早いと思われました。
 やあ済まねえなあ、とポルナレフは腰を低くすると、犬の分は持ち帰りにするからさ、店の前で待たせていていいかなあ?これは露骨な嘘でした。イギーには首輪も紐もつけていなかったからです。こういう時のために一応持ち歩いてはいましたが、素直につながれるイギーではありませんから、イギーの分を先に受け取ったら、店先から見えない程度の近くの曲がり角に持って行って食べさせておけばいい、とポルナレフは考えていました。だったらいいだろ、とポルナレフは繰り返しました、犬の分はちゃんと持ち帰るからさ。
 冗談じゃないわよ、とミッフィーは言いました、犬に食わせる料理がここの店にはあるって言うわけ?またしてもの発言に大胆なメラニーはフッと笑い、気弱なアギーはぶるぶると震え、のん気なバーバラは目をぱちくりし、クールなウインは無表情でした。あんたらもスタンド使いか、とジョースターさんはハーミットパープルを発動寸前に身がまえました。
 いらっしゃいませ、とミミィとキャシーが店のカウンターに出てきました。ご一緒のお客さまですか、とミミィはミッフィーたちとジョータローたちを見回しました。いや、こいつもいいかな。どうぞ。奮然として誇り高きイギーはテーブルの下の席につきました。