人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

2015年度深夜アニメ(首都圏版)年間ベスト10

 2015年度の深夜アニメを年間を通して振り返ってみると、春アニメ(4月~6月)は平均的に豊作で、夏アニメ(7月~9月)・冬アニメ(1月~3月)が次ぎ、秋アニメ(10月~12月)は標準作が大半を占める中に秀作が数作あった、という印象です。もっとも『ガッチャマン イン クラウズ インサイト』や『青春×機関銃』『城下町のダンデライオン』『K RETURN OF KINGS』『蒼穹のファフナーEXODUS』『ランス・アンド・マスクス』『ノラガミ ARAGOTO』『牙狼 -紅蓮ノ月-』のように放映時間が深夜25~26時台で録画機器を持っていない筆者には観られない(ネットでも追い切れない)、というのもありました。観られた限りで今年印象に残った作品を上げてみます(★評価はあくまで筆者の主観と嗜好によるものです)。

・2015年度深夜冬アニメ(1月~3月)
夜ノヤッターマン』★★★☆
純潔のマリア』★★★★
『ローリング ガールズ』★★☆
艦隊これくしょん』★★★
ユリ熊嵐』★★
Dog Days』★
桜Trick(地方局放映)』★
四月は君の嘘(2クール目)』★★☆
SHIROBAKO(2クール目)』★★★★★

・2015年度深夜春アニメ(4月~6月)より、
ラブライブ!(2クール目)』★★★
山田くんと7人の魔女』★★★★
血界戦線』★★★★
ミカグラ学園組曲』★★☆
トリアージX』★★★★
俺物語!!』★★★★★
放課後のプレアデス』★☆
やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。続』★
レーカン!』★★★
魔法少女リリカルなのはVivid』★★★★
ニセコイ:』★★★★
ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセダーズ』★★★★★
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』★★★☆
長門有希ちゃんの消失』★★★☆
終わりのセラフ』★★★★☆
ガンスリンガー ストラトス』★★
Fate/stay night』★★
プラスティック・メモリーズ』★★★☆

・2015年度深夜夏アニメ(7月~9月)より、
『干姉妹うまるちゃん』★☆
赤髪の白雪姫』★★☆
『実は私は』★★★
のんのんびより りぴーと』★★☆
それが声優!』★
六花の勇者』★★★★★
空戦魔導士候補生の教官』★★★
俺物語!!(2クール目)』★★★★
うしおととら』★★★★★
ウルトラスーパーアニメタイムうーさーのその日暮らし 夢幻編/ミス・モノクローム 第2期/わかば*ガール』★★★★
ゲート 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり』★★★★
監獄学園』★★★★★
食戟のソーマ(2クール目)』★★★
WORKING!!!』★☆
・秋の劇場版公開を控えた再放送として、
ガールズ&パンツァー』(再)★★★★★
『蒼き鋼のアルペジオ』(再)★★★☆

・2015年深夜秋アニメ(10月~12月)より、
コメット・ルシファー』★★★☆
『コンクリート・レボルティオ~超人幻想~』★★★★☆
落第騎士の英雄譚』★☆
ワンパンマン』★★★★★
ヴァルキリードライヴ マーメイド』★★★★★
おそ松さん』★★★★★
ゆるゆり さん☆ハイ!』★★
緋弾のアリアAA』★★☆
櫻子さんの足下には死体が埋まっている』★★★
対魔導学園35試験小隊』★☆
俺がお嬢様学校に「庶民サンプル」としてゲッツされた件』★
ルパン三世』★★★
ヤング ブラック・ジャック』★★
うしおととら(2クール目)』★★★★★
ウルトラスーパーアニメタイムハッカドール THE あにめ~しょん/ミス・モノクローム-The Animation-3/影鰐』★★★
ヘヴィーオブジェクト』★★★★
終わりのセラフ(2クール目)』★★★★
ご注文はうさぎですか??』★★★☆
学戦都市アスタリスク』★
終物語』★★★★☆
うたわれるもの 偽りの仮面』★★

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 以上を踏まえて、2015年・年間深夜アニメベスト10を上げると、
1. 『六花の勇者
2. 『ヴァルキリードライヴ マーメイド
3. 『監獄学園
4. 『SHIROBAKO
5. 『コンクリート・レボルティオ~超人幻想』
6. 『夜ノヤッターマン
7. 『純潔のマリア
8. 『ゲート 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり
9. 『俺物語!!
10. 『山田くんと7人の魔女
次点. 『終わりのセラフ
特選. 『おそ松さん
 と、必ずしも★の数とは一致しませんが、作風のかぶるものやシリーズものは外しました。『コンクリート・レボルティオ』は実験的な作風なので★★★★★はつけ難いが、同一テーマを扱って明快に面白い★★★★★作品『ワンパンマン』よりも意欲的なアニメ・オリジナル作品という点で上位に置く、その代わり『ワンパンマン』のマッドハウス制作『俺物語!!』は少女マンガ原作の成功作として、少年マンガ誌のラブコメ作品原作より上位に置く。『山田くんと7人の魔女』は少年誌のラブコメ作品ブーム(『ニセコイ』『実は私は』)のアニメ化を代表して末席入選させる。作品的には『終わりのセラフ』や『血界戦線』、さらに今いちばんいかれたアニメ『おそ松さん』(2クール目放映中)の方が上ですが、ラブコメ代表としてはこれがいい、ということです。

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 A1-PictureやP.A.Works、Witスタジオ作品は入りましたが京都アニメーション、シャフト作品が未完またはシリーズ作品なので選外になってしまいました。ちなみに2015年のプリキュアは『プリンセスプリキュア』で、前作が凝りすぎた反省か分かりやすく華麗な作風で大好評だったようです。『監獄学園』と『SHIROBAKO』はともに『ガールズ&パンツァー』の水島努監督作品でどちらも傑作ですが、独創的でアニメ・オリジナルの意欲作ながら題材が特殊な『SHIROBAKO』より、少年マンガ原作を上手く生かしたスクリューボール・コメディ監獄学園』を上位に上げました。『SHIROBAKO』は年間ベスト1でもいい名作ですが、展開の密度のために理解力のハードルをかなり高く設定した敷居の高さは免れますん。それを冗漫な解説調でやると夏アニメの失敗作『それが声優!』になってしまいます。

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 近年多い百合ものはほのぼのコメディばかりでしたが『ヴァルキリードライヴ マーメイド』は痛快ハード百合お色気アクションの怪作で、カルト作品の資格十分です。性的エクスタシーで肉体の変異を発動する異常ウィルスに感染した少女たちを隔離する女だけの南海らしき孤島を舞台に、性感の感度を武器に闘う爆乳ハイパーバトルというとんでもない公式設定で、ここまであられもなく乳乳乳で攻められるといっそ痛快。EカップやFカップは当たり前、GカップやJカップが闊歩する極端に巨乳に特化した世界で、謎だらけに始まるにもかかわらず余分な説明抜きでどんどん展開していく話術の巧みさ、キャラクターごとに乳首や乳暈のディテールにまでこだわるアホらしさ、AT-X配信ではすっぴんながら地上波放映では画面の1/3に逆光ボカシが入る大胆さといい、よくまあこれがアダルトOVAでもなくテレビ放映アニメで実現したものです。凝りに凝った内容に何度観直しても飽きません。これでは百合風味を足した『緋弾のアリアAA』も『ヴァルキリー~』には遠く及ばず、といったところ。

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 渋い作風ですが『六花の勇者』『純潔のマリア』も良い作品でした。ベスト作品には選びませんでしたが『プラスティック・メモリーズ』はかつての名作『ちょびっツ』を思わせる青年と少女ロボットの悲恋ものでした。
 それとボーイ・ミーツ・ガールで始まるアニメはたいがい出会いは更衣中やシャワー中で、慌ててもみ合いになるとなぜかバストをわしづかみにしていてキャーッ(それから果たし合いになってヒロインが主人公の実力を認める)という展開はどうにかならないものでしょうか。秋アニメなどはそれが4本もあったので(男女キャラのタイプも類型だし)、これでは作品の区別がつきません。お約束とはいえ、あまりに工夫に欠ける観があります。
 では、2016年深夜冬アニメ(1月~3月)序盤感想は近々追って掲載します。

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・ついでに2015年度深夜アニメ全期ワースト10候補作を上げておきます。これは残念ながら観てつまらなかったもの、期待外れだったものを上げました。
1.『Charlotte(シャーロット)』
(鳴り物入りの放映、稀代の支離滅裂な内容)
2.『オーバーロード
(願望充足型設定が醜悪で不快極まりない)
3.『ケイオスドラゴン 赤竜戦役
(穏和な大和民族が高慢な韓民族に虐げられ反抗に転じる、というトンデモ設定)
4.『デュラララ!!×2 転』
(殺伐とした「チーマー(死語?)」抗争劇)
5.『がっこうぐらし!
(ホラーか萌えかもわからない不統一な作風)
6.『乱歩奇譚 Game of Laplace
(江戸川乱歩の現代向けリメイク自体貧困)
7.『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ ツヴァイ ヘルツ!
(魔女っ子仲良し萌えアニメ、それだけ)
8.『モンスター娘のいる日常
(異形の宇宙人美女との獣姦ラブコメディ)
9.『下ネタという概念が存在しない退屈な世界
(発想は悪くないが全然生かせなかった)
10.『新妹魔王の契約者 BURST
(アダルトOVAのボカシ入り先行TVオンエア)
-- .『響け!ユーフォニアム
(魅力に欠けるキャラ、劇場版完結を臭わせてクライマックスへの序盤で終わる中途半端さ)
-- .『Dance with Devils
(ミュージカルアニメ。ある意味画期的)
-- .『えとたま
(『うる星やつら!』型の喧騒ましいコメディ)
-- .『SHOW BY ROCK!』
(汚い映像と低俗な音楽に我慢の限界)
-- .『すべてがFになる THE PERFECT INSIDER
(キャラに魅力もない長編推理ものはキツい)
-- .『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない(再)』
(良かれ悪しかれ近年はどんなアニメが名作扱いされるのか『四月は君の嘘』と並んでよくわかる。知り合いだけが全世界の小児的世界観、身近な事故死や病死の都合のいい活用、毎回毎回ボロボロ大粒の涙を流すキャラたち。万事が旧来の基準では幼稚で安っぽいが、いつの間にかそんなものが主流になりつつあること)