人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

偽ムーミン谷のレストラン・改(7)

 巨大ブタクサ(ジャイアント・ホグウィード, Giant Hogweed)は光毒性の物質を含み、多くの地域で有害雑草として知られるセリ科の多年生植物で、丈夫で光沢のある緑色の茎には所々に赤黒い斑点があり、葉柄の赤い輪紋には頑丈な毛が生えています。この茎は成長すると2メートル~5.5メートルもの高さに達します。原産はカフカース地方や中央アジアとされ、イギリスには19世紀に観賞植物として持ち込まれて、ヨーロッパ地域や北米へと広がりました。現在ではイギリスに生息する鳥によって広範囲に媒介され、特に河川の堤防に顕著に広がっています。巨大ブタクサの密集群落は他の植物を排除し、動物の生息域を脅かしています。アメリカ合衆国北西部とカナダ南部でも巨大ブタクサは生息地を拡大し、またドイツ、フランス、ベルギーでは外来種の巨大ブタクサが在来種のセリ科植物を駆逐しています。
 巨大ブタクサの樹液に含まれる光毒性の物質は、樹液が付着したまま太陽光か紫外線を浴びると深刻な植物性光線皮膚炎の原因となり水疱や長期間痕の残る傷、眼に入った場合は失明を引き起こします。まず皮膚が赤く腫れ上がり、痒みを引き起こして48時間以内に水疱が生じます。そして最後には黒から紫色の傷になり数年間、肌に残ります。そのために入院が必要とされ、さらに微量でも眼に樹液が入ると一時的、もしくは恒久的な失明に至ります。これらの症状の原因は巨大ブタクサの葉、根、茎、花、種に含まれるフラノクマリン類の有機化合物で、上皮細胞の細胞核へと侵入し細胞を死に追いやります。その茶色い色は、フラノクマリン類が生成したメラニンによります。
 各国の行政機関は子供を巨大ブタクサに近づかないよう勧めており、また巨大ブタクサに触れたり掘り返す際は防護服と防護眼鏡の着用を警告しています。そしてもし万が一でも肌が触れてしまった場合は洗剤と水で入念に洗い、その部分が太陽光に当たらないよう数日間保護する必要があるとしています。
 光毒性と侵略的外来植物であることから巨大ブタクサは駆除対象となっています。イギリスでは1981年に植えたり野生繁殖させることは違法とされ、1974年にはアメリカ合衆国連邦政府によって有害植物として規制され、農務省の許可のない州間の移動や国内への輸入が禁止されました。
 では巨大ブタクサをポリグラフ(嘘発見器)につないでみましょう。
「おろっ?」