Recorded at INTEAM Studio, Hambuhren, September 1983
Released by Metronome Musik GmbH/Inteam GmbH, ID 20.002, March 1984
Composed and Performed by Klaus Schulze and Rainer Bloss
(Side 1)
A1. Drive Inn - 3:42
A2. Sightseeing - 6:24
A3. Truckin' - 4:54
A4. Highway - 4:45
(Side 2)
B1. Racing - 6:00
B2. Road Clear - 11:11
B3. Drive Out - 3:00
[ Personnel ]
Klaus Schulze - electronics
Rainer Bloss - piano, keyboards
Michael Garvens - percussion (on B1)
*
(Original Inteam "Drive Inn" LP Liner Cover & Side 1/2 Label)
この『ドライヴ・イン』はシュルツェが言うようにイージー・リスニング的なドライヴ・ミュージックであり、楽曲も短く、いわばブロス&シュルツェ版『アウトバーン』といった趣きのアルバムです。シュルツェのファンにはあまり良く言われていないアルバムであり、オリジナル盤以来名義もジャケットにはクラウス・シュルツェ&ライナー・ブロスとしてシュルツェの名前を先にしているプレスばかりになるのはシュルツェの名義を先にした方が売れるから、という商業的事情が察せられます。本作自体はシュルツェのアルバムに重厚さを求めるリスナーでなければこういう路線もありかな、と快適に聴ける一種のトリップ・ミュージックとしてなかなかの好作であり、シュルツェが「"Easy listening" - but sounds quite nice.」とそれなりの自信を示しているのも納得のいくアルバムです。ただし本作がシュルツェのファンに受けが良くないのはライナー・ブロスとシュルツェの相性の問題で、ブロスのリーダー作にシュルツェが共作したとすると、ブロスというのはシュルツェとはあまり音楽的感性において共通する指向性を持たないミュージシャンなのではないか、と思われてくることです。シュルツェのアルバムである『オーディンティティー』や『ポーランド・ライヴ』ではそうした疑問は起こりませんでしたし、シュルツェがおそらくエルンスト・フックスのヴォーカルと歌詞ゆえに嫌悪する『アフリーカ』ですら音楽的にはシュルツェがリードしたのを感じさせるものでした。それらに較べると本作はあまりにシュルツェ参加作で共作名義にしては音楽性が軽く、これをブロスが主役のアルバムと考えるとシュルツェとはずいぶん違う資質のミュージシャンではないか、と疑問を呈するファンもかつては多かった、ということですが、のちに未発表音源の大量リリースもするようになるシュルツェの膨大な作品群にあってはこういう軽いセッション作があるのも面白いのではないでしょうか。