人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

懐かしのパンク・ロック

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パンクと呼ばれるロックは本来アメリカにあった。60年代末のサイケデリック・ロックでもチョコレート・ウォッチ・バンドやザ・シーズ、エレクトリック・プリューンズや13thフロア・エレヴェーターズなど怪しい名前と喧嘩上等で鳴らしたバンドはわんさかいたのだ。彼らはガレージ・パンクと呼ばれた。
70年代パンクも実際はニューヨーク・パンクやクリーヴランド・パンク(Electric EelsやPere Ube)その他DevoやB-52's、ロサンジェルスにはドアーズの再来と言われたXがイギリスのパンク・バンドと同時に、どころか先だって活動していた。アメリカのパンクはヴェルヴェット・アンダーグラウンドやドアーズ、MC5、ストゥージズ、前述したガレージ・パンク勢といった60年代末の異端バンドをそのまま発展させていったから、当然時期的にも早かったのだ。
だがただ単に「パンク・ロック」といった時は、アナーキーでもスターリンでもブルー・ハーツでもなく、ジャケットを掲載したロンドン・パンク、特にこの3バンドの名があがる。ヴィジュアルやパフォーマンスを含めたアティテュードと共に、アメリカのパンク・バンドのように過去を継承していないだけ音楽的に大胆で斬新だった。
そのかわり自分たちの作風すら否定しなければならずどのバンドも苦労することになるのだが、ここに挙げた各バンドのデビュー・アルバムは赤ちゃんの生後第一声のように瑞々しい。上から、

The Damned「地獄に堕ちた野郎ども」'Damned Damned Damned'1977年2月
The Clash「白い暴動」'The Clash'1977年4月
Sex Pistols勝手にしやがれ」'Never Mind The Bollocks'1977年11月

パンクの代名詞のように言われるピストルズのデビュー・アルバムがやや遅れたのは先行シングルの大ヒットや社会現象化した活動で大物と見なされ真打ち的なリリースになったからだろう。
ダムドやクラッシュ、それに同じ1977年デビューのザ・ジャム、ザ・ストラングラーズなどはピストルズの前座クラスだった。この5バンドは当時日本ではロンドン・パンク5大バンドと喧伝されたが後の2バンドはワイヤーやバズコックスと共に60年代ロックの再解釈の面が色濃い。