人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

真似句亭日乗(22)離婚事情回想11

(奥様はお嬢さんたちにプレゼントを隠しているのでは?)
「妻は積極的な好意も悪意もないのでプレゼントもカードもそのまま渡しているようですよ。最初の1年くらいは娘たちの好みもわかっているのでリサイクル・ショップやフリマでプレゼントを買い集めておいて、クリスマスや誕生日ごとにキレイにラップした段ボールで送っていました。電話で受け取り確認すると、「ふたりでこれ私のね、って分けあってたわよ」と言っていたから渡しているでしょう。だからって電話や葉書でお礼をすることはない、と妻は考えているだろうし、もう娘たちは電話も葉書も自分でできる歳になっているけれど、母親に隠れてはしないでしょうね。死んでしまったのなら知らせはほしいけれど、生きているぼくには一切関わりたくない、姿を見せないでほしい、といったところだと思います」
(先日は太宰治といいましたが、あんな死に方をした人を引き合いに出されても嬉しくないですよね-笑)
「いや死に方はぜんぜん。辻潤佐伯祐三のように餓死でもOK。つらいのはシュティフター江藤淳みたいな、闘病の苦痛と老人性の鬱によるカミソリ自殺ですね」
(やっぱり女難が似てます-笑)
「やっぱり女難ですか(苦笑)。ひょっとしたら逆かもしれない。むかし同じ雑誌で書いてた女性のライターさんが、何度別の男とつきあっても殴られる、という話がありました。仕事仲間と「なんでだろうね」と語りあううちに「いつか殴る男に無意識に惹かれるか、殴らない男も殴る男に変貌させてしまうのではないか」ではおれたちも彼女とつきあったら殴るのか?と謎に包まれたものです。女難誘発性みたいなものがあるんだったら…ある種の男にはあるんじゃないですか(笑)。女性で「男運が悪い」というのはほとんど慣用表現でしょう?
きっとこのまま悟りも開けず女難の相も消えずやっていくんでしょうね。どんな面白い目にあうやら、楽しみです」