人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

よもやま話

○コメントと断片より

(1)ルシファーズ・フレンドはスコーピオンズ以前のドイツNo.1プログレ=ハード・バンドです。70年ですからイントロはゼップのパロディでしょう。こんなに早い時期にロニー・ジェイムズ・ディオ在籍時のレインボーのスタイルに達しているのはちょっとした驚異です。

(2)そうですね、これが医者通いのない日の過ごし方の典型です。夕方からはブログ記事の作文に取りかかって深夜24時までに2~3本書き、投稿後に夜食をとって寝ます。
蒲原有明自伝はぼくも最初は歯が立ちませんでした。今は大詩人晩年の渾身の力作だと思いますが、読み進めるのに最初は苦労するのは仕方ないような作品でもあります。

(3)いわゆるフラッシュバックとは違いますね、ぼくのは偽物の記憶ですから。入獄・入院体験がトラウマ=心的外傷というのも違う感じがします。内出血ならべたべたになっているかもしれません。ぼくの療養生活はあまりに単調なので(一日他人と口をきかない日が大半です)起きていても生命感が夢より頼りない気がするのです。

(4)カフカというと死後発表の大作長篇三部作「アメリカ(失踪者)」「審判(訴訟)」「城」、また数少ない生前発表作では「変身」がずば抜けた人気作ですが、「観察」「村医者」「ある戦いの描写」(「観察」以外没後出版)などの小品集はカフカのエッセンスを1~2ページに凝縮して見事なものです。長篇にはないペーソスもあります。ちなみにカフカは「家庭とか結婚を考えると嘔吐感がする。目の前に実物を見たら言葉を失う」という人でした。カフカは実際、これほどはない反社会的思想を持っていたのです。

(5)ぼくは1953年刊「カフカ全集第三巻・全短編」(新潮社)と、生前発表作の短編集「ある流刑地の話」(角川文庫・1963)を照合しました。古い翻訳は言葉は古いけど歯切れはよく、新しい翻訳はこなれているけどかえって読みづらい感じです。でもこの文庫版は良い本です(いまでも手に入ります)。
最近の翻訳は、池内紀個人全訳「カフカ小説全集」がまずハードカヴァーで出て、現在は白水社uブックスで「カフカ・コレクション」として新書版全8巻で出ています。「観察」は第6巻に収録。また、岩波文庫から「カフカ短編集」「カフカ寓話集」、ちくま文庫カフカ・セレクション(全3巻)」も刊行されています。