人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

視察職員がやって来た

一昨日(月曜)のことだが、通院と買い物を終えて部屋でぐったりしていると、
「Z市のMです」
と尋ね人があった。ぼくの病気は突然の来訪者には耐えられないほどつらい。Z市のどちらですか、と息も絶えだえに訊くと、福祉課です、と返答があった。最初からそう言ってくれればいいのだが、近所に気をつかってのことだろうから責められない。

福祉課は二年ごとに担当者が替わるので、この春から担当者になったMさんは引き継ぎの挨拶がてら生活環境の視察に来たのだった。Mさんの前任担当者はぼくの病状の申し送りはあまりしていないようだった。この二年間は盲腸炎以外の入院はなかったからだ。
その前の二年間は担当のHさんにさんざん世話になった。二年間に四回、入院期間の合計は10か月に及んだからお見舞いや送迎でもお世話になった。正常な時のぼくもいかれた状態のぼくも見ているから病気についての理解もあった。音楽マニアだったのもHさんには親近感があって、ぼくのCD棚を「宝の山ですね」と感心して眺めていた。

Mさんは、ぼくの通院が毎週なのを納得できない様子だった。「今後はなるべく隔週くらいになるように努力していただいて…」
「ええ。今は主治医の指示で毎週通院しています。それから訪問看護も。病状の経過観察と予防、それからリハビリテーションで」
不毛な会話になりそうだ。この二年間は入院していませんが、世間とまったく触れない生活をして抑えているんです。患者会や、ぼくはキリスト教徒ですが、礼拝に出ることもできないくらいです。

患者会はわかりますが」とMさん。「私もミッション系の学校でしたから今でもたまにミサに出ますが、讃美歌歌って神父さんの話を聞いて、そんなものですよね」
「ぼくの場合は…」どう説明しよう。「教会に入って信徒のかたがたと挨拶しますよね。その段階でもう駄目なんです。人の集まりに耐えられないんです。極力刺激を避けた生活をして、ようやく安静を保っている状態です」

メンタル・クリニック以外の通院はどれも成人病に類することなので、とりあえず現況の確認だけすればよかった。メンタルの方の治療方針については主治医の指示通り受診している、と言うしかない。
実はこの訪問は生活扶助基準の変更に先立った調査でもあったのが今日判った。明日の記事で触れたい。