人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

通院日記・11月18日(月)晴れ

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・夢の世に葱を作りて寂しきよ

―とは20世紀の大俳人永田耕衣の名句集「驢鳴集」の中でも白眉の一句。葱の句の名作では、趣きは異なるが、飴山實の、

・なめくぢも夕映えてをり葱の先

―と甲乙つけ難い。ただし季節が違う。耕衣の葱は冬だろう。飴山の句は、なめくじも出てくる通り、この「葱の先」は葱坊主だろうから、梅雨の晴れ間の句になる。

―などと思いながら、メンタル・クリニック受診の後薬局に処方箋を出して、分包待ちの時間に買い物に出かけた。ラーメンとチャーハン、時に鍋焼きうどんが常食の食生活には、長葱とチャーシューと玉子は欠かせない。チャーシューは近隣では丘の上のスーパーの惣菜部が自家製でいちばん安い。玉子の特売はあちこちで土日にやっているが坂の下の大型ドラッグストアではレギュラー価格が特売に準じるのでいつでも買い置きがある。価格変動の激しいのが長葱で、通常価格も安定せず、特売なら半額以下になりもする。

今日は駅前スーパーで長葱が特売だった。ここから自宅まではひとけのない道を300メートルなのでカットしてもらわなくて済む。葱はカットすると切断面がどんどん乾び始めるから、切らずに持ち帰るに越したことはない。チャーシューを買いに行かねばならないのでサーヴィスカウンターで預かってもらう。

今日の診察は、
「(この一週間は)どうだった?」
「まあ良い調子でした。天候に左右されますけど」
―実質的にこれだけで終った。毎週月曜日午前10時に受診しているので、
「気が早いですが、年末はどうなりますか?」
「早くもないよ。今年は月曜日が祝日に重なるね。その時の調子と、訪問看護との兼合いでどうかな?」
「調子は善くてもゴールデンウィークと盆暮れは不安になりますね。クリニックは休み、病院は変則シフトで緊急入院受け入れ先がない…アベさんなんか休息入院を奨めてくれますが」
「必要もないのに入院してたら福祉課が怒るよ」と主治医は笑って「そりゃ上げ膳据え膳、三食昼寝つきだけどさ。入院費は生保より高くつくからね」
「そうですね。楽は楽だけど、自由とプライヴァシーはないし」
「自宅がいちばんだよ」

チャーシューも長葱も玉子も買ってきた。電子レンジでインスタントラーメンが作れる容器があって、ブログの更新の後はこれで夜食を食べるのだ。