『たんぽぽ』(承前)
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ついたちの日 つらいおもいで あやまりにいた
それで またおみいもきげんよう子もりにいた
わしは きんの れんげ田のなかではちにさされた
それで目がはれて ひだりのほうはふさがってしもうた
まいにちまいにちおまえのことをおもわん日とてない
まいあさ 大阪のほうをむいて おひいさんをおがみよる
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うちの したん田でひばりが子うんだ
一日一日大きくなりよる わしは まいにちこれをみにいくのがたのしみや
がっこうのせいとが みつけへんかとおもうてしんぱいや
おみいとこの ご主人が大びょうでねとってや
たまごがでけたら それをもって みまいに行こうとおもうとるが にわとりは たまごうまへんし
わしは きがあせるいっぽうや
これもおみいのせいや
ゆわば おまえのためや
なんべんもいうたことやが おまえが えんもゆかりもないこんな子をあずかってきたさかいや
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えらいことがわいてきた
おみいとこの ご主人がしんでしもうてやった
そのとき また おみいが ぶちょうほうしたのや
まだしんどってやないのに しんどってやとおもうて おみいのどあほめが なまんだなまんだ よいほとけになりなはれよ いうて 目をなでて 目をつぶらしてあげようとしたんやとい
ほっといたらそれでよいのに どあほめがのう
ご主人はえらいおこって 死んどらん ばかが いうて
くすりびんをぶちつけてやったんやとい
おみいのかおにいまでも きずがついとる
わしのしんちゅうを さっしてみてくれ
わしは あなへでもはいりたい
どあほにつけるくすりがない とはこのこっちゃ
わしがこない くろうしとるのに なんでてがみを 一ぺんもおこさんのど
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もうどうしょうもないわ
おみいのがきが またもどされてきた
わしははらがたついっぽうや
一つわるいことがおこったら なんぼでもわるいことがでけてくる
わしのたのしみのたのしみの ひばりの子をだれやらがぬすんでしまいやがった
がっこのせいとやろとおもうのや
もうだれやってもかまわんわ
もうどないなろとかまへん
圭よ なるようになるもんかい のう
(以下次回)