人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

アル中病棟入院記81

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・3月26日(金)曇り、にわか雨、にわか晴れ、曇り
(前回から続く)
「バス組は当然先に目的地に到着するのでバス組第二便で到着した物資(お弁当やゲーム用遊具、急病人の看護用組み立て式クッションベッドなど)から真っ先に煙草の吸殻入れが取り出され、長沢ナチュラル・センター(ここの大講堂が今はバス組の待機所で、お昼はお弁当会場になる)の玄関前が喫煙所になり、禁煙30分ほどでしびれをきらした患者が殺到。一般に入院患者は喫煙制限でもない限り他に楽しみがないからヘヴィ・スモーカーになっているのだ」

「やがて健脚組が到着するまでナチュラル・センター内をぶらぶらし、展示物を見たりお土産屋を眺めたりしたが、携帯電話も現金やクレジットカードも持参禁止の遠足なので撮影もできないしお土産も買えない。八王子は『平成たぬき合戦ぽんぽこ』の舞台だそうでセンターの月報も『ぽんぽこ通信』、等身大?の巨大トトロぬいぐるみが置かれたジブリコーナーがあり、1月から12月まで12種類のトトロのアクセサリーがなかなか良くて別れた妻子への誕生日プレゼントに買いたかったが、買えない。他にも郷土在住のイラストレーターのなかなか可愛いポストカードがあったが、買えない。展示室の郷土の水彩(アクリル?)画家の八王子各地の風景画はいただけなかった。ギャラリーA.は(注)それなりに有名無名問わず質の高い作家が出品しているんだな、と実感。この風景画家さんはせいぜい数枚が限度だろう。こういう、目に見える力量ばかりはどうしようもない」

「やっと健脚組が到着したのは正午まであと15分、というところ。一時間が目安がそうはいかなかったようだ。天気予報は曇りのち雨だったが11時すぎに30分ほどのにわか雨で、途中に急な坂道があって大変だったという。健脚組の点呼と手洗い、煙草休憩であっという間に正午、昨日のAAで、入院先の病院でお花見に行き、レジャーシートを敷いて昼食はおにぎり三個と唐揚げでした、と話していた人がいたので、アルコール科ではさぞかし貧弱な昼飯だろうなとまるで期待していなかったのだが、出てきたお弁当は普段の病院食どころではない豪華メニューだった」(続く)

(注)筆者の在住地近所の画廊。画廊主自身が女子美大出身者なので見識が高く、女流とリトグラフ作家が多い。筆者は長い間常連観賞客になっていた。