人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

ビリー・ホリデイ5

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当時のポピュラー音楽はSP盤と呼ばれる分速78回転のレコードで、片面せいぜい4分未満しか入らないからクラシック曲などは数枚~十数枚組でバインダー綴じになる。ポピュラー音楽でも人気アーティストはシングルを数枚バインダー綴じして再発売される。写真アルバムのようにSPレコードを綴じ合わせたもので、アルバム、という呼称の由来はそこにあり、文字通りLP時代になってもCDが開発されてもシングルに対するアルバム、という呼び方だけは残った。

44年のコモドア社への次のセッションは一週間もたたずに行われた。バック・バンドは前回と同じで、当時いかにビリーがこのバンドを信頼していたかが判る。この日の最初の曲は38年に不評だったミュージカル挿入歌だが、第二次大戦中に歌詞の内容から時流に乗ったヒットとなったもの。シナトラ盤も同時期にヒットしている。
[Billie Holiday-I'll Be Seeing You]'44.4.1
http://m.youtube.com/watch?v=2J9r5r7KYPc&client=mv-google&gl=JP&guid=ON&hl=ja

次は地味な曲だが、ビリーは気持のこもった丁寧な歌唱を聞かせる。
[I'm Yours]
http://m.youtube.com/watch?v=hvQKYFHjwcc&guid=ON&hl=ja&gl=JP&client=mv-google

次は30年のミュージカル挿入歌にガーシュウィン兄弟が書いた大名曲で、ジャズマンなら誰もがレパートリーに入れている。ビリーも繰り返し録音している。
[Embraceable You]
http://m.youtube.com/watch?v=12lASVXUu1w&guid=ON&hl=ja&gl=JP&client=mv-google

この日の最後は元々31年のミュージカル挿入歌だったがさっぱり受けず、ところが42年の映画「カサブランカ」に使用されるや否や大ヒットとなった曲。ビリーは大胆な解釈を聴かせる。『時の過ぎゆくまま』
[As Time Goes By]
http://m.youtube.com/watch?v=ZRuwJsq4pVE&gl=JP&client=mv-google&guid=ON&hl=ja

(続く)