人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

アル中病棟入院記88

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・3月26日(金)曇り、にわか雨、にわか晴れ、曇り
(前回から続く)
「そうか、とKくんは首をひねって、メリットとデメリットで考えなきゃならんのだな。親分どうですか?雇われる側としてか、雇う側でか?雇う側として。そうねえ、おれだったら同じくらいできる奴だったらマイナス面の少ない奴を雇うね。佐伯さんみたいに生活保護を受けて療養中の人にはメリットがあるけど、Kさんは復職予定だったらデメリットの方が多いんじゃないですか、とSmくん。何にしても入院中は主治医やケースワーカーに訪ねるのが精々だし、退院してからメリットやデメリットを調べて考えればいいんじゃないかな、とこれ以上話しても仕方ないので辞去、日記の続きに戻る」

「今日は遠足もあったし、テレビのギャラリーも少ない。一服しに喫煙室に行くたびデイルームからはNkさん、Kyさんと減っていき、10時半に一服しに通るとSkさんだけになっていた。AtさんやYnさんはとっくに寝ている。Kくんもいつの間にか戻ってきて、すぐに寝入ってしまったようだ。時計を持っていないし部屋に時計もないので日記を続けていると夜勤のSy看護婦が巡回してきた。枕元の灯りを消し、すぐ寝ます、とパジャマに着替えて、もうそろそろ巡回も第三病棟に引き上げたかな、という頃合いで就寝前の一服しに喫煙室に行くとちょうど出てきたSkさんと入れ違い。怒られちゃった、とSkさんは一言ぽつんと呟いていく」

・3月27日(土)晴れ
「今朝も朝食15分前という気楽な時間に目が醒める。良い覚醒で喫煙室に入ると珍しくFさんがKくんに愚痴をこぼしている。逆ならわかるが。夜中にしょっちゅう出たり入ったり、抽出しやロッカーを開けてガチャガチャやっていたりして眠れないよ。それでもなんとか少しは眠ったけど朝5時の看護婦の巡回で目が冴えちゃって眠れない。何やってんでしょうね?眠れないから何かしてんじゃないの?今Fさんの同室は4人部屋だがSkさんひとりだ。もっともFさんも短期入院だったKmさんが入院費不払いのハンガー・ストライキを起したくらいに同室の人が眠れない大いびきをかくらしいから、きっとおたがいさまなのだろう。―朝食はスクランブル・エッグにベーコン、かき玉の味噌汁におひたしというあっさりしたメニュー。学習プログラムもなければ掃除もない、週末らしいのんびりした雰囲気」(続く)