故・大和明氏はビリーの楽歴のうちコロンビア時代を成長期・完成期・全盛期とし、コモドア時代とデッカ前期を円熟期、デッカ後期を不安定期とし、ヴァーヴ時代のビリーは丸々衰退期とする。ヴァーヴとの契約満了二年後の逝去までコロンビアとMGM社に1枚ずつアルバムを残している。
57年7月のライヴ録音を最後に半年間休養、新進ピアニストのマル・ウォルドロンを抜擢しビリーは58年2月からレイ・エリスのアレンジによるオーケストラ伴奏の新作アルバムの制作に入る。それがバラード集、「レディ・イン・サテン」となり、大和氏もこの最晩年を挽回期と評価する。
『恋は愚かというけれど』
[Billie Holiday-I'm A Fool To Want You]
'58.2.19
http://m.youtube.com/watch?v=UCsxqDq6B04&gl=JP&client=mv-google&hl=ja&guid=ON
『心変わりしたあなた』
[You've Changes]
'58.2.20
http://m.youtube.com/watch?v=EocgzIYo_og&guid=ON&client=mv-google&hl=ja&gl=JP
マル・ウォルドロン&レイ・エリス楽団の次のアルバム「ラスト・レコーディング」は急逝の4か月前に完成し、没後発表された。
『私にかまわないで』
[Don't Worry 'Bout Me]'59.3.4
http://m.youtube.com/watch?v=KuvbZM-mPhE&gl=JP&guid=ON&hl=ja&client=mv-google
『なにがあろうと』
[All The Way]'59.3.3
http://m.youtube.com/watch?v=5xV7Xxv_-ic&gl=JP&guid=ON&hl=ja&client=mv-google
ただしこれを挽回と言えるか疑問もある。音楽から受ける感動はこうも凄惨でなければならないのか。だがビリーはそこまで到達した稀な歌手だった。