人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

アル中病棟入院記152

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(前回の結びの患者同士の会話に、不穏当かつ不愉快な表現が含まれていたことをお詫びします。発言者の偏見をそのまま表すため、あえて実際に行われていた会話をそのまま再現したものであり、あくまでも記録として伏せ字は用いませんでした。)

・4月6日(火)晴れ
「天気予報では最高気温20度近い陽気になるらしい。Atさんに佐伯さん、7時30分、と声をかけられ目を醒ます。朝仕度をしてデイルームに向かうともう配膳のワゴンが廊下を進んでくる音が聞こえてきた。朝食前に寝起きの一服を楽しみたかったが仕方がない。昨夜は最終消灯時刻まで『USAカニバケツ』を読み、就寝前の一服を味わおうと、その前にトイレに寄ったらSkと顔を合わせた。おやすみなさい、と別れてちょうど廊下で巡回に来ていたOg看護婦に、一服してから寝ます、と許可を受け、喫煙室に行くとまたSkがいた。目的は一緒ですか、一応看護婦に声をかけてから来ました。今夜の夜勤なら大丈夫じゃないの、とSk。無言で喫っているとHAが入ってきた。二本目の煙草に火を点け、まもなくほぼ同時に二人は出ていき、やっと一人きりの時間が楽しめた」

「お茶だけくんでワゴンにまわり、裏側から手近な人の分を渡し、表にまわって同じ動作を繰り返し、最後に自分の分を取って席につく。今日の午後のプログラムはリクリエーションで、リサイクルセンターへの散歩。KdさんがKくん(一般精神科だからプログラム参加のノルマはない)をしきりに誘って参加名簿に記名してしまうが彼は応じない。後で彼が言うには、アルコール依存症だった二人目の奥さんが入院していた時に見舞いに来るたびに歩いた思い出があるという。その話を聞いたわけではないがKくんの様子からKdさんも強引に誘わないことにして記名を消す」

「午前中はMu女医担当の診察と内科対象者診察。ホワイトボードに記載がないので、ナースステーションで朝の会の後で確認すると、10時から毎週恒例の外来ミーティングは今週もあるという。任意だし、誰も出席者がいないので書き落したのだろう。朝の会の後は全員体重測定(着衣)、これはあっという間に終る。先週のソバージュ女性とも約束がある。朝刊を読んで時間を潰し、そろそろだな、と畳んで戻すと、KdさんやUzさんと喫煙室で長話していたKくんが、煙草喫いに来ないか。これから外来ミーティングなんだ」(続く)