人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

偽ムーミン谷のレストラン(66)

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でもなんだか入院みたいで嫌ですねえ、とスノークが苦笑しました。いくら三食上げ膳据え膳、昼寝つきといってもねえ。
ほう、きみも入院したことがあるのかね?とヘムル署長が言外に、バカは病気はしないものだろうとほのめかしました。
ええ、もうヒマでヒマで、トイレに隠れてはオナニーしていましたよ(実話)。
あまりに唐突な告白に、それまでスノークの同席をうざったく感じていた悪党四人もぷっ、っと吹き出しました。いやいやスノークくんもなかなかやるな、とヘムレンさん。そんなことフローレンの前では言えんだろう?ところでフローレンはどうした?
ああ女子トイレですよ。女子は余計だ(笑)。あいつ結構イケるくちでね、水商売上がりですから。きみは未成年の保護者として飲ませておいていいのか?それは専門家が二人もいるから訊いてみましょう。
・スティンキー(もぐり酒場経営)「バレなきゃいいでしょ?どうせ現行犯でなきゃ挙げられないし」
・ヘムル署長(警察兼検察兼裁判官)「時効だ」
めんどくさい、またはどうでもいい場合は、ヘムル署長はすべて時効で済ませるのです。これによってムーミン谷でかつて起き、また今後起り得るすべての違法行為は時効という判例があるので、ムーミン谷の法体系自体に変化がないかぎりあらゆる訴訟は時効という判決が得られる保証がありました。もちろんスティンキーの主張もこの谷の現実でしたが、それを言いだせばまたムーミン谷ならではのエントロピー飽和理論の蒸し返しになります。
女のトイレは長いですからね、戻ったらどこかのテーブルに混ぜてもらえ、私は博士たちのインテリ席に行く、と申し渡しておいたんですよ。
だがきみが加わったせいで五人になってしまった、とジャコウネズミ博士。どこか問題ありますか?並んで写真を撮ると一人死ぬ。いやそれはおいといて、このテーブルの形だよ。型ですね。これまで四人は左右の両辺と両半円に座ってきた。きみが座れるのはとんがった場所しかないぞ。
えーっ、ここですか?刺さりそうだな。両辺にお二人ずつ、のくぼみに私では駄目ですか?
それではきみが司会者でわれわれはパンチDEデートみたいではないか。後から来た者が偉そうなことを言うな。ウェイターに椅子を頼むが、覚悟はいいな?
いいですけど(渋々)。
しぶしぶまで読まなくてもよろしい。
(続く)