人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

ピーナッツ畑でつかまえて(7)

 彼の好きな食べ物はドッグフードはもちろん、チョコチップクッキーやピザ、アイスクリーム、ルートビールなどでした。ただし好みは気紛れで、大好物のはずのチョコチップクッキーやアーモンドクッキーのような「食べ物が中に入った食べ物」は嫌いと言うこともあります。彼は犬歯を始めに犬の歯並びをしておらず、人間と同じ歯並び……しかもかなりきれいな歯並びをしているのが、にんまり笑うと確認できました。二足歩行の習慣といい、先天的にせよ後天的にせよ、彼は動物学的にはあり得ない犬でした。
 大親友のウッドストックの言葉を理解できるばかりか、さらにウッドストックの仲間たちとコミュニケーションや区別が出来るのはスヌーピーだけでした。スヌーピーのお腹の上で寝たり、アイスホッケーで遊ぶなど彼らは仲良しコンビでした。母の日には一緒に空を眺めてそれぞれの母親を想ったりもしました。
 スヌーピーは猟犬の犬種であるにも関わらずウサギが大好きで、弁護士の変装時にはピーターラビットを筆頭にウサギの弁護をしたり、ウサギ達もスヌーピーが病院に入院すると見舞いにくるほど親睦を深めていました。
 苦手なのは隣家の猫のWW-2やココナッツ、ビーツなど。猫は一般に駄目で、フリーダの飼い猫・ファーロンも嫌っています。閉所恐怖症なのは先述しました。チャーリー・ブラウンとの絆は強いのですが、いつまでたってもチャーリーの名前を覚えず「くりくり坊主(round-headed boy)」と思っているようです。
 誕生日は8月10日。初めは、この日か8月28日かはっきりしませんでした。
 スヌーピーはチャーリーが引き取る前は、ライラという少女のもとにいました。しかし飼い犬禁止の家に越すので飼えなくなったために、生まれ故郷のデイジーヒル子犬園へと戻されていたのです。
 伝説によれば、出会いはこうでした。幼いチャーリーが砂場で遊んでいると、隣にいた見知らぬ子供に頭からバケツいっぱいの砂を浴びせかけられました。彼は泣き出し、お母さんが慌てて家へ連れ帰りました。翌日チャーリーの両親は彼を車でデイジーヒル子犬園へ連れてゆき、一匹の仔犬を買い与えた、というものです。別の伝説では、新聞広告を見たチャーリーがライナスとともにでかけ、5ドルで引きとったことになっています。
 それがスヌーピーのおおまかな来歴でした。