人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

魍猟綺譚・夜ノアンパンマン(14)

 それで実際の経験にしくはないと、こういうものを買ってみたんだが、とばいきんまんは届いたばかりの大小さまざまな箱を積み上げてカタログと照らし合わせました。一口にこの手のものと言ってもいろいろある。たとえば、手足のない胴体だけのものはトルソと呼ばれるらしい。これかな、とばいきんまんはホラーマンに命じて箱から取り出させました。へえ、何だかねえ、とドキンちゃん、一応おっぱいはついているのね。下の方が大きくえぐれているのは、どうしてなのよ?
 それは別売りのオナホールというパーツをはめ込むためらしいのだ、とばいきんまんはやはりホラーマンにオナホールを別の箱から取り出させました。それはぶよぶよしたピンク色の筒状のもので、オナホールだけでも種類はいろいろあるらしい、とばいきんまん。どうして別売りなの?いくつか理由があるそうなのだ。トルソなり、これから見せる人形型のものに最初から組み込んであると猥褻物として取り締まりの対象になるが、別売だと言い逃れがきく。また、お湯で温めてからはめ込んだり、ローションを塗って使ったり、使うと汚してしまうので、使用後は取り外してよく洗浄し、丁寧に手入れして乾かす必要がある。使用頻度にもよるが、半消耗品なのだな。
 オナホールはこれだけでも使用できるが、やはりボディにはめ込んで使ってこそ醍醐味があるらしい、とばいきんまんはホラーマンに各種ボディ、つまり風船式、ぬいぐるみ式、ウレタン製、ソフトヴィニール製、ラテックス/シリコン製と次々と取り出させ、トルソじゃないものは頭も手足もついた人間型なのだ。高価なものほど見た目も実際の女性に近いし、ソフトヴィニール製の高級仕様のものやラテックス/シリコン製品となるとラヴ・ドールと呼ばれて実際の衣服を着せて等身大の美女人形として楽しんだり、鑑賞用としても使われる。
 実用的には、ほら、人間型でも股の間がエグれているだろ?オナホールとボディのどちらが本体と見るかで予算のかけ方も違ってくる。 お値段は、まずオナホールは必須だが素材は弾力性と伸縮性のあるシリコンや塩化ビニール、熱可塑性エラストマーなどで、形状や性能によって1,000円未満~数万円と幅がある。オナホールはオナニー補助用具だが、通常のオナニーより強い快感やや異性間性交渉に類似した快感を得られる以上の快感すらあるとされるのだ。陰謀の臭いがプンプンしてくるではないか。