人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

school food punishment - school food is good food (July Records, 2007)

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school food punishment - school food is good food (July Records, 2007) Full Album : https://www.youtube.com/playlist?list=PL4DdpCSoYX23aPhgYgLVduoxWnm1eG0pF
Released by July Records JKCA-1030, April 4, 2007
(Tracklist) total time - 33:45
1. close,down,back to - 4:41
2. pool - 5:54
3. set low,fine - 4:52
4. snap - 6:27
5. 浮かび上がる - 5:05
6. 遠く箱の中 - 7:03
[ school food punishment ]
西村友美 - vocal, guitar
蓮尾理之 - keyboards
上田睦 - bass
片野勝哉 - drums
(credits)
作詞 : 内村友美
作曲 : school food punishment
編曲 : school food punishment, 石田ショーキチ
Produced, Recorded and Mixed by 石田ショーキチ

 school food punishmentは、内村友美(ヴォーカル、ギター)を中心に2004年結成、2012年に解散した日本のバンドで、一貫して蓮尾理之のキーボード(シンセサイザー)にベース、ドラムスを加えた4人編成で活動した。インディーズのJuly Recordsからミニアルバム2作、『school food is good food』2007年4月・『air feel,color swim』を11月に発表して話題を呼び、Fiveman Army Rocksからのインディーズ3作目のミニアルバム『Riff-rain』は2008年12月にタワーレコード限定先行発売され、タワーレコード・J-Indiesチャート1位となり、1週間で完売する好評を博してメジャー・デビューに向かう。

 2009年1月に『Riff-rain』の一般発売後、EPIC RECORDS JAPANから5月にテレビアニメ『エデンの東』とタイアップしたメジャー・デビュー・シングル「futuristic imagination」発売。翌2010年3月までにシングル5枚(うち両A面曲1枚)の発売を経て、2010年5月メジャーからの初のフルアルバム『amp-reflection』発表。先行シングルA面曲6曲をすべて収録し、最高位オリコン週間9位・デイリー3位を記録。

 アルバム発表に伴うツアー終了後に半年間活動休止したバンドは名義を大文字始まりのSchool Food Punishmentに改め、先行シングル1枚を踏まえて2011年7月にEPICからのセカンド・アルバムを発表(オリコン最高位週間14位・デイリー6位)、ツアー後12月に発表したシングル(新曲)がこのバンドの最後の作品になった。2012年2月に活動休止を発表、同年6月に内村友美脱退によりバンドは解散する。

 インディーズ後期からテレビドラマに楽曲使用され、メジャー・デビュー後のシングルがほとんどアニメ・タイアップ曲となったのは、解散後になってみるとシングル発売過剰とともにバンドの消耗を早めたように見える(デビュー・アルバムから6枚の同時シングル・カットを行いメディアやリスナーの反感を買ったモビー・グレイプの例もある)。
 また、このバンドの音楽がアニメ・タイアップに馴染みすぎたことにも問題の所在がある。中心メンバーである西村友美、蓮尾理之はともに1983年生まれ。10代半ばに椎名林檎宇多田ヒカルら新しい感覚のシンガー・ソングライターのデビューを経験し(聴いて)育った世代の感覚があり、現在ではアニメ・タイアップ曲もまた椎名林檎宇多田ヒカルらから派生したものになっている。その親和性からこのバンドはタイアップ起用が多かったが、逆にそれがバンドの個性を多くのアニソンの中に埋没させた、もしくはアニメ・タイアップ曲を避けるタイプのリスナーから遠ざけてしまった。

 このインディーズからのデビュー・ミニアルバムでも、tk.1などはタンジェリン・ドリームかエルドンでも思わせるようなシンセサイザーのシークエンス・ループから始まり、グランジ以降のビッグ・ビート感覚でいわゆる旧来のシンガー・ソングライター系にははないエッジの効いたロック感はしっかりしていただけに、音楽性はそのままにアニソン方向に引っ張られて行ってしまったのはプロモーション上の読み違いがあったように思われる。だからと言って渋い客層ばかり向いているわけにもいかず、結果的に飽きっぽいリスナーに向けた太く短い活動で良かったのだろうか。残されたアルバムの出来が良いだけに、忘れられてしまうにはあまりに惜しい気がする。