人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

真・NAGISAの国のアリス(63)

 マルデン島中部太平洋に位置する無人島で、19世紀にはインディペンデンスとも呼ばれていました。ライン諸島のうちの中部ライン諸島にあり、キリバス共和国に所属します。標高は低く不毛な島で、面積は約39.3平方km。そしてマルデン島は先史時代に築かれたと考えられる謎の多い遺跡や、かつて存在したと観測される広大な燐酸質グアノ(有機質化石)の希少性、またイギリス初の水爆実験場で、現在は海鳥の重要な繁殖地としてマルデン島自然保護区に指定されたことで知られています。
 幅 8km、最高標高 10mのこの孤島は北を上辺とすると▽の形をしており、外郭ほど標高が高いくぼんだ地形のために内陸部からは海岸すら見えません。島の東側から中央部の大部分には不規則な形の広く浅い礁湖が存在し、そこには多くの小島が点在します。この湖は陸地によって閉じられ海面とは接しませんが地下では海とつながっており、水は完全に海水です。マルデン島には淡水はなく海岸の大部分は珊瑚が占めており、島に打ち寄せる波によってそれらの珊瑚が島の外郭を形成しています。
 孤島であることと乾燥していることから、島の植物相は極めて限られており、15種ほどの固有種しか存在しません。それらの多くも生育不良な藪を形成するに過ぎず、かつてココナッツの木がグアノ採掘の鉱員によって植えられましたがそれらも根付くことはなく、現在では枯れ果てたその木々をわずかに見ることが出来るのみとなっています。
 グアノ採掘が行われていた時代には猫、豚、羊、ハツカネズミがマルデン島に移入されました。豚と羊は全滅しましたが猫とハツカネズミは現在でも島内で生息しているのが確認されています。また少数のアオウミガメが海岸に巣を作り、ヤドカリが多数生息しています。
 マルデン島の発見は1825年7月30日で、ジョージ・バイロンによって発見されました。このジョージ・バイロンは有名な詩人ジョージ・ゴードン・バイロン(第6代バイロン男爵)のいとこで、ジョージ・ゴードンの後を継ぎ第7代バイロン男爵となった人物です。バイロンイギリス海軍の軍人で当時は船長職であり、イギリスのロンドンで死去したハワイ王国の若き王カメハメハ2世とその王妃カママルの遺体をハワイ王国ホノルルに送り届ける特別任務を遂行し、ロンドンへ戻る途上でした。
 ひどいところだわ!とアリスは白ウサギの首を締め上げて、何でこんな!