人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

ブルース・クリエイション Blues Creation - 白熱のブルース・クリエイション (Kitty/URC, 1989), 悪魔と11人の子供たち (コロムビア/DENON, 1971)

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ブルース・クリエイション Blues Creation - 白熱のブルース・クリエイション(Kitty/URC, 1989) : http://www.youtube.com/playlist?list=PL94gOvpr5yt3ZpyGlHTxpAO_Rtvi0qRsA
Recorded at 第3回全日本フォーク・ジャンボリー, August 7, 1971
Released by Kitty/URC H20K-25048, November 25, 1989
(Tracklist)
1. Rolling Stone - 13:43
2. 悪い夢 - 7:42
3. Drinkin' Blues - 7:26
4. 悪魔と11人の子供達 - 8:07 (not included)
5. Motherless Child / Understand - 5:15 (different studio version)
6. Tobacco Road - 11:10
[ ブルース・クリエイション Blue Creation ]
竹田和夫 - Guitar
大沢博美 - Vocal
佐伯正志 - Bass
樋口昌行 - Drums
with
カルメン・マキ - Vocal on "Motherless Child / Understand"

ブルース・クリエイションについては前回ファースト・アルバムをご紹介した際に大体のことは解説してしまいましたので、リーダー竹田和夫以外のメンバーを一新した1971年のブルース・クリエイション音源をご紹介いたします。この新生ブルース・クリエイションは1971年に『悪魔と11人の子供たち』(8月発売)と、ヴォーカルにカルメン・マキを迎えた『カルメン・マキ/ブルース・クリエイション』(9月発売)を同時レコーディングして翌年初頭に解散しました。竹田和夫はただちに新バンド「クリエイション」を結成し、5人編成から'73年には4人編成に戻り、'74年には東芝のエキスプレス・レーベルに再デビュー・アルバム『クリエイション』('75年6月発売)を録音します。次のアルバム『クリエイション・ウィズ・フェリックス・パパラルディ』('76年4月発売)はプロデュース、ベース、ヴォーカルにクリームのプロデューサー~マウンテンのリーダーだったフェリックス・パパラルディ、またソングライティングにパパラルディ夫人でマウンテンのアルバム・コンセプト/ジャケット・アートワーク担当のゲイル・コリンズ(のちパパラルディを射殺)を迎え、アメリカではパパラルディ名義のアルバム『フェリックス・パパラルディ』として発売され酷評されました。
1971年のブルース・クリエイションに話を戻すと、前記のアルバム2作は力作とは認められたもののオリジナリティの欠如を指摘されました。確かに『悪魔と11人の子供たち』はブラック・サバスの影響が強く出すぎたアルバムで、日本のロックもオリジナリティで真価を問われる時期になっていたのです。しかし'90年代になると、時代との距離感がブラック・サバスブルース・クリエイションの相違とブルース・クリエイション独自の良さを明らかにしたのです。そのきっかけになったのが1989年にインディーズのURCレコードの倉庫から発見されリリースされたライヴ盤『白熱のブルース・クリエイション』だったのです。収録内容はフォークの野外フェスティヴァルでロックのアーティストが出演した部のステージでしたが、『悪魔と11人の子供たち』発売直前のライヴを収めた同作はスタジオ盤以上に壮絶な、強烈にドライヴする演奏をありありと伝えるものでした。
(Original Columbia/DENON "Carmen Maki / Blue Creation" LP Front Cover)

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 ライヴ盤の発掘によって再評価されたブルース・クリエイションは欧米の'70年代ロック・リスナーからも注目され、『悪魔と11人の子供たち』はもともとアルバム・ジャケットも'70年代初頭らしい魅力的な味があり、単独で聴くとブラック・サバスとの類似が気になるとしてもライヴと併せて聴けばむしろフラワー・トラヴェリン・バンドに連なるブルース・クリエイションならではのポテンシャルを十分に感じとれるものです。発表時から近年までこのアルバム最大の弱点と言われてきた大沢博美のカタカナ英語ヴォーカルさえも、今日の英米リスナーには逆にオリジナル・ヴォーカリストの布谷文夫をしのぐ日本ロックの最強ヴォーカリストと賞賛されています。音楽の評価はいつくつがえるかわからないものです。

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ブルース・クリエイション - 悪魔と11人の子供たち Demon And Eleven Children (コロムビア/DENON, 1971) : http://youtu.be/4NeG7AAdkMM (Side A Only)
Released by 日本コロムビア株式会社 DENON CD-5029, August 25, 1971
(Side A)
A1. 原爆落し Atomic Bombs Away 5:30
A2. Mississippi Mountain Blues 4:05
A3. Just I Was Born 6:18
A4. 悲しみ Sorrow 7:31
(Side B)
B1. One Summer Day 2:26
B2. 脳天杭打ち Brane Baster 2:00
B3. Sooner Or Later 5:13
B4. 悪魔と11人の子供たち Demon & Eleven Children 9:15
[ ブルース・クリエイション Blue Creation ]
same as Kitty/URC H20K-25048